T.C.UNIONRIVER ~ユニオンリバー社~

第02話-4

「隊長!こっちに通路が!!」

「でかしたラルフっ!!」


リィズ以下先行調査隊はその声に続き、隠し通路とも言える狭い通路を進み始めた


「ふぅ・・この狭さならあいつらも追ってこれないわね」

「・・でも、アレ一体なんなんスか?」

「ガーディアンでしょ・・それとも・・・・「宝の番人」かしら?」


狭いのは通路の幅だけでなく、天上もやや低いため少し前かがみで行かなくてはならない


「・・リィズ二佐、あの音・・」

「音・・?」


一人の隊員のつぶやきで、皆が立ち止まり、耳を澄ます


・・どん・・・


「銃声!」

「俺らを助けに来たンですかっ!?」

「・・この先か・・」


調査隊一同は少し期待しながら通路を進み・・

やがて、広い場所に出る

・・礼拝堂以上だ・・


そこには追いつめられたシュウ、セラ、シードの姿があった


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「た・・大変だっっ!?」

「どうしまぁしたぁ~?」


テントの向こうから走ってきた隊員は慌てふためいていたが、サクラはフニャフニャの対応

おかげで慌てていた隊員も思わず黙ってしまう


「はい、「ほーこく」どうぞん♪」

「あ・・は、はい・・」


隊員は持ってきたデータを先ほどのマップにインストールする


「第二次調査隊が深度4で消息不明になったあと、しばらくして深度5から信号が確認されたんです!!」

「ほぉ~・・そりゃシュウちょんに渡しといた予備のヤツやにぇ・・」


・・この場合の予備とは「壊れた時」を想定するものではなく、別な信号を発信するという意味である


「なるほど・・しかし、この周りの動く影は・・?」

「これは・・まさかガーディアン!?」


ネスの指摘に三度騒然となる一同

しかし・・サクラだけは余裕の笑みで構えていた


・・にゃーに、このくらい想定済みよん・・

・・だってねぇ~・・


サクラは何気ない動作で、地球の見える方向の空を見上げる

・・すると


きぃぃぃ・・・


「何の音だ・・?」


騒然としていた一同もテントから出てきて、空を見上げる

・・地球の方向から、何かが飛んでくる


「戦闘機・・・・・・・」


ネスは見覚えのある戦闘機に、しばし見入っている


「・・リニアバード?」


リニアバードは地球の衛星港に係留してある、ユニオンリバー社のもう一つの宇宙船

こちらは宇宙戦艦ではなく、10メートル台の小型タイプ・・

当然社員でなければ、発進申請は出来ないのだが・・


「マスター・・まさかマスターっ!?」


大当たり、とでも言うようにテントの上空をかすめて飛ぶリニアバード

逆ウイングの、まるで大気圏内用戦闘機のそれは、テントから少し離れた所に着陸した

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「よう」

「よう、じゃないでしょうっ!?」


ロディはいつもの装備で、いつも通りに、いつものフヌケた笑顔で現れた

頬のテープは貼ったままだが、包帯がどうなっているかは察しがつかない


「あ、あなたは・・病院で寝てるハズでしょ!?」

「うん、「自主的に切り上げて」な。」

「そんな・・どっかの査察団みたいに・・」

「気にするな♪それよか遺跡探検だぜッ!」


ロディはネスの横をすたすたと通り過ぎ、遺跡の入り口へ楽しそうに歩いていく

その前に、サクラが立った


「おう、やっぱその方が違和感ねぇな」

「そりゃどーもん♪・・・でぇ、ロディちょん」

「・・なんだ?」


・・「ちょん」って呼ぶなよな、そこだけは直せ

言おうかとも思ったが面倒なのでロディは言わない


「みんなピンチっぽいからぁ、ちょっとヘルプっちゃってぇ♪」


サクラの手元のマップは、シュウ達を表すカーソルと・・無数の赤いカーソルを映している


「こいつらは・・ガーディアンか?」

「ご名答~」


大当たり、一等ハワイ旅行で~す♪とでも言わないばかりの派手なリアクション

ロディも一瞬、ずる・・とコケ損ねる


「・・・・」


何か作戦を考えたらしく、彼は上着に手を突っ込むとレイノスを取り出した

一緒に・・あの妙な「アンテナユニット」も・・

それは港で、対ファントムのために「あいつ」を呼び出した装備だ


「まさか・・まさかまさかまさかまさか・・まさかっ!?」

「来い!相棒っ!!・・・コール・G-H/77!ゼファー!!!!!!」


前回は時間の都合(おい)で省略したが、本当はこうやっていちいち叫んでいるのだ


幾何学模様の魔法陣・・ゲートが現れ、そこからゆっくりと、ゼファーが上がってくる

ロディは手慣れた様子で肩に飛び乗り、コクピットへ滑り込む


「・・速・攻・決・着」

「し、しなくていいですから・・頼むからギアでどーにかしようとしないでっ!!」

「いってらっしゃーい♪」


慌てふためくネス、テントの一同・・・

サクラだけがハンカチを振って、遺跡に突っ込んでいくゼファーを見送った

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遺跡・・深度「8」


「んぁ・・」


メイは小さな呻きをあげた

目の前が霞んで見える・・いや、しっかり目を開いていないだけだ

意識が朦朧とする・・事実、彼女は今目を覚ましたばかりなのだから当たり前か


・・ここはどこ・・


ぼんやりと見えるのは・・ただの闇。

薄暗い明かりのようなものが見えるが、それでもよくわからない


・・ボク、さっき落ちたんだ・・


そして落ちてきた先・・「ここ」で、落着の寸前に偶然ハンドバリアが作動して助かっていた

それでも完全に落下の勢いを殺す事はできず、地面に叩きつけられた彼女は意識を失っていたのだ


・・とりあえず・・どこかに出口ないかな・・

ふらっ・・と歩きだそうとするメイ


・・ぐい


「うわっ・・?」


何かに足を引っ張られた

意識がはっきりしないせいでそのまま倒れてしまう


・・何・・?

恐る恐る後ろを振り返る・・

・・と、足に「ケーブル」が巻き付いていた


・・何だ、電気のやつか・・


メイはそれに手を伸ばす・・

その瞬間


・・しゅ・・


ケーブルが大量に「増殖」した

その群れが、一瞬の内に彼女を飲み込んでしまう


「ふぇ・・!?」


為す術もなく、ケーブルにがんじがらめにされてしまった


「や・・やだっ・・・・」


逃れようともがくメイの真後ろから、一本のケーブルが唸りを上げる


・・・ずっ・・・


「ぁ・・・・・・・・・・・」


左から、首筋にそのケーブルが深々と突き刺さっていた

・・何かが流れ込んでくる感覚・・


「や・・め・・・」


そこから言葉の呂律が回らなくなるメイ

不快な感覚が首から全身に広がってくる

・・やがて・・彼女は再び意識を失ってしまった

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「・・ガーディアンが起動しているか」


黄色く光る一つ目の影は、暗闇に立っていた

なにやらぶつぶつとつぶやきながら、ひたすらに「それ」を待っている


「・・統率せねばろくな活動も出来ぬ者共め・・」


一つ目のいる場所は・・深度「8」

そして一つ目の前には・・大量の血を流して苦悶の表情を浮かべているメイの姿があった

ケーブルは「いなくなって」いたが、メイの息はもう絶え絶えになっている

突き刺さったのが動脈なのだから出血はとにかく酷い・・


「・・それにしても・・ようやく会えましたね、ご主人(マスター)」


一つ目は安堵の声を上げたが、彼女の状態はとても安心できるようには見えなかった。

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