T.C.UNIONRIVER ~ユニオンリバー社~

第03話-4

・・ボク、戦ってる・・?・・


メイは心臓の鼓動に重なる、心地よい高揚感で我に返った

すっ・・と右手を翻すと、3メートルほどのギアの足がひしゃげ、崩れる

周りの音の一切が、しばらく聞こえてこない・・


今は完全に自分の世界が展開している


・・そうか、変身したんだ・・ボク・・


敵・・ギアの目に映った自分の姿は、11才の少女のものではなかった

白を基調とし、緑のラインに彩られた鎧を着たロボットのような形状の「騎士」・・・

背中に白い翼があった事から、「天使」という表現が適当かもしれない


・・「天使」の姿になったメイは、ガンマと共に敵の前に立ちふさがっていた

ロディのように根性もない、セラのように強くもない、シュウのように頭がいいわけでもない・・


ギアに乗れる以外取り柄のなかった彼女は、今確かに「力」を手に入れたのだ


・・悪い奴!!・・


右腕を振るうと、無意識の内にレーザーブレードを発振させる

・・そう、脳裏に浮かんだイメージを具現化するのがセプターの武器・・


ガンマは素早く機動しながら戦う「天使」の姿を見て、メイが「覚醒」した事を確信した


・・ナノマシンによる変身、周囲の物質を分解吸収することで「無限に生きる」事も可能な戦士・・


詳しい事は不明だが・・今のメイは事実上「無敵」のようだ

『ガンマ!助太刀するぜぇ!!!!』

「ゼファー!・・・・ロディ様!」


がっしゃがっしゃと突っ走ってきたゼファーは敵に驚く暇も与えず、いきなり・・


ごっがぁぁぁぁぁ!!!!!!!


駆け込みざまのダブルラリアットをかまし、二体のギアを吹き飛ばした


『新手か!?』

『何者か知らねぇが、近くにウチの事務所があると知っての狼藉か!?』

事務所の方を指さすゼファー

残りのテロリスト一同がそちらを向くと・・事務所の屋上からシュウが手を振っている(見物してたらしい)


『あんなボロいほったて事務所に用事があってはるばる来たんじゃねぇ!!』

『俺達はロストテクノロジィを有効利用してやるために・・』

『ほう・・今「ボロい」っつったな?』


周囲の空気が固まる

ガンマも、メイも、連中ですら・・


目を「青に」輝かせながら、ゼファーは右腕のレーザーブレードを発振した

・・いきなり切り札、サイ・モードの起動だ

しかもロディは気合十分、根性というワケのわからん付加エネルギーも加わっている!


『・・半殺しくらいで済まそうと思ったが・・てめえらやっぱ・・死ねぇぇぇぇ!!!


油断させたわけでもないようだが、その台詞の途中でゼファーは三機のギアを切り刻んでいた

一刀両断のように綺麗に真っ二つ、ではなく、乱雑に滅茶苦茶な切り方を繰り返し・・


『残り17機か・・ったく、ガンマ、お前斬りすぎだぞ?』

「いえ、半分はご主人が」

『・・今なんつった?』

「だから、メイ様がやったんですよ?」


ガンマの横にいたIFRにしては妙だなぁ・・と思っていた「羽の生えたロボット」

それが・・メイ??

「あ、ロディー♪ボク・・強くなっちゃったんだよ~♪」


今更ゼファーに気が付いたメイが、その姿で手を振った


『・・ガンマ、これがお前の言ってたセプターとか言う奴か?』

「ええ。・・まぁ旧文明時代の「戦闘用装備」ですね・・」


ロディは中身がメイとは思えないその姿に唖然としていた


「とりあえず目先の敵を破壊してからにしましょう、お話は!!」

『・・・おう!!』

「よーく見ててよねっ!ボクがどれだけ強いか・・・!!」


17という数はこの三人に対して余りにも役不足な数だった

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そのころ・・メインターミナルでは・・


「あれ?・・たいちょー・・」

「レオネ?・・・あんた何しに来たのよ?」


ターミナルから丁度出てきたリィズと、着陸したスカイ・イージスから降りてきたレオネが鉢合わせしていた


「・・ああ、ここのお祭りに来てたんですねぇ・・」

「・・いや、だから何をしに・・」


と言いかけてリィズは海岸線の方に向かって飛び去る8小隊のギアに視線を向けた


「・・さっきなんか揺れた気がしたけど・・何か来たようね・・?」

「だからぁ、テロリストが来てるんですよぉ・・あと大津波が・・」


リィズはそこを聞くと、突然スカイ・イージスの艦内へ飛び込んでいった

情報をチェックして、一気にその顔が青ざめる

「津波・・って!これ!もろにセルムラント水没するわよ!?」

「え・・そんなに大きいんですかぁ?」


リィズは無言でレオネの額をこづく


「あうぅぅ・・・」

「大きいも何も、地球がこうなった原因クラスじゃないの!・・テロリストなんてほっぽって逃げるわよ!!」

「で、でもラルフさんたちが・・」

「津波が来るまで十五分しかないのよ!?悠長な事はしてられないの!!」


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「・・津波」


事務所の屋上・・シュウの見せたデータで、シードが固まっていた


「・・って早よ逃げなぁ・・!!」

「遅いよ、もう」


シュウの予想はS.Gより正確で、秒刻みでその到達を予言していた


「・・大丈夫、セルムラントが水没してもこの事務所にはこんな時のために「相転移バリア」が・・」

「ここだけ助かってどないすんやぁーっ!!!」

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『切り札を出せ!!』

『切り札?』


すでに全滅寸前だったテロリストのギアが指を鳴らす(?)と、海が突然盛り上がった


ざざざぁぁぁ・・・・という波の中から、40メートル台の大型ギアが姿を現わした


『へっへっへ・・これぞジャンクから改造を重ね完成させた最強ギアよ!』


四本の腕、脚部に大型のバーニアを装着した、えらいガタイのいい奴・・・


ゼファーや一般のギアとは違い、腕や足が細いケーブルによる接続ではない

とにかくパワー重視という事を体現したようなギアだ


『・・手応えありそうじゃん』

「あーずるいっ!!ボクがやるの!ボクのっ!!」

「・・・G-D/88"DESTROY"・・COLL HERE!!」

ロディとメイはぎょっとした


・・が、ガンマ!早まるなぁ!!


と言おうとしたが遅いか、事務所から数えて7番目くらいにあるビルが突然崩れ始めた

10メートルくらいのビルが沈んで・・代わりに、中から大きな大きな赤い影が現れる

『呼んじまった・・』


・・グゥゥゥゥゥゥゥ・・・・


ガンマは・・デストロイを呼んでいた


「対抗策はこれしかないでしょう!大きさには大きさです!」


当初と比べ、キャラがどんどん変わっていくガンマだった。


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