2016/09/10(土)09:20
古都祝奈良(ことほぐなら)~時空を超えたアートの祭典(上)
正に平成バベルの塔
大安寺七重塔跡に再現された巨大オブジェ
9月3日から10月23日まで、奈良市で「古都祝奈良(ことほぐなら)~時空を超えたアートの祭典」という文化イベントが開催されています。
http://culturecity-nara.com/kotohogunara/
このイベントの概要を上記「古都祝奈良」のHPから拾ってみます。
日本、中国、韓国の3か国で、文化による発展を目指す都市を各国1都市選定、各都市が行うさまざまな文化プログラムを通して交流を深める国家プロジェクト「東アジア文化都市」。今年は中国は寧波市、韓国は済州特別自治道、そして日本では奈良市が選ばれました。
この「東アジア文化都市2016奈良市」のコア・プログラムとして「古都祝奈良~時空を超えたアートの祭典」が開催されるという訳なのです。
古都奈良の寺社の境内の中に
各国のアーティストが腕を競ったアートを出品、
これは面白いイベントだ!
アート展示のメイン会場は以下の8つの寺社です。
東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、大安寺、薬師寺、唐招提寺、西大寺、
正に古都奈良の寺社巡りだ!
よし、この8寺社のアート巡りをしてみよう。
さしもの猛暑も少し収まった9月6日、リュウちゃんがこれまで行ったことのなかった「大安寺」からアート巡りをスタートしました。
下の写真は大安寺の手前にある「推古天皇社」です。推古天皇は奈良時代より100年くらい前の天皇で、この地には縁がないはず、リュウちゃんにとりましては「謎の神社」なのです。
下の写真は「大安寺南大門」です。
境内の一角に小さな竹林があり、そこに小さな石碑が立てられています。
ここは「いのちの小径」と称されていて、乳がんを患っていた大阪在住の川崎さんという女性がここに自ら使っていたペースメーカーを埋め「美留孔(ミルク塚)」という碑を建てたのだそうです。
大安寺は癌封じの寺、美留孔塚はその象徴なのかな?
暫し大安寺の境内散策、
あれ、目的のアート作品が境内に見当たらない
なんでやねん?
社務所に問い合わせましたところ、
「アートは境内の外の七重塔の跡地にあります」、とのこと、
南大門を出て、八幡神社の森を過ぎたところに、目的のアートが見えてきました。
作品名「足場の塔」、作者は世界的に活躍する造形作家・川俣正、
川俣はこの作品の制作意図について、以下のように語っています。
「今回のプロジェクトでは、奈良に以前建てられていた塔を自分なりに解釈して、新たな塔を建てることを考えました」
嘗て奈良の都には東大寺と大安寺にそれぞれ2基の巨大な七重塔がありました。
東大寺七重塔は推定100m以上、
大安寺七重塔は推定70m、
今回の「足場の塔」は22mと、往事の大安寺七重塔の1/3の高さに過ぎませんが、往事の繁栄は十分に偲ぶことが出来ます。
リュウちゃん、一時、奈良時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えたのです。
大安寺を後にし、春日大社に向かいました。
春日大社のアートは「着到殿」で展示されている映像アニメーション作品「まだかみさまがいたるところにいたころの ものがたり」、制作者は、美人書道家で2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の題字を担当したことで有名な紫舟(ししゅう)、下の彼女の写真はネットから拝借しました。
(紫舟)
この作品はスクリーンに映し出された象形文字(山、木、鳥など)に鑑賞者が触れると文字はたちまち山や木や鳥などに姿を変えるという鑑賞者参加型の映像作品です。
これは面白い作品だ!
リュウちゃん、この作品を30分くらい触れ続けたのでした(苦笑)
春日大社から徒歩でアート展示の3番目の会場である東大寺に向かいました。
ここのアート作品は「船をつくるプロジェクト」、制作者は中国人の蔡國強、
かって東シナ海を航行した木製の帆船を中国から来た船大工10人によって東大寺大仏殿の前にある「鏡池」のほとりで公開制作されたのだそうです。
今日の帆船には帆が張られていない!?
何やら残念!
東大寺から徒歩で4番目の会場である興福寺に向かいました。
興福寺3重塔の前に展示されている作品のタイトルは「開花」、仏教と供にシルクロードを経て中国、朝鮮を経て日本に伝来した「ハスの花」の開花をモチーフにした作品です。制作者はイランの造形作家・サハンド・ヘサミアン、
う~ん、中々力強い作品だ!
興福寺3重塔の階段を下りて、次の会場である「元興寺」に向かいました。
下の写真は階段の脇に咲く赤い百日紅、
もう秋は近いぞ
(以下、「古都祝奈良(ことほぐなら)~時空を超えたアートの祭典(下)」に続きます)