|
カテゴリ:日々雑感
先日天橋立から伊根を経由して丹後方面に半島をぐるっと回ってきた 丹後ちりめんで有名な地 約50年間京都で染色業をしてきたおっちゃん 独立して自営になってからも約40年着物の引き染めという伝統産業を生業として頑張った 18歳高卒で京都の小さな引き染め会社に就職して 約10年で自分の腕一本で独立したのだから今更ながらすごいと思う 現役の頃に白生地をしっかい業の人がおっちゃんの所に持ってきて それを注文の通りに刷毛で染め上げていく それがおっちゃんが50年近くしていた仕事 着物産業は分業の世界 昔実家で蚕さんを飼っていたから蚕さんが糸を吐いて繭を作ることも知っている 絹糸を作るまでは、富岡製糸工場の見学に行ったので分かる この日見学させて貰ったのは 絹糸を縦糸横糸それぞれに機織機にセットして一反の白生地に作っていく工場 自分の得意先の悉皆業の人の実家が営んでいるとずっと話に聞いていたので 廃業した後になってしまったけれど、一度は見に来たかったのだという 最盛期には70台以上の機織機が稼働していたという。現在は36台が現役とのこと 細い一本づつの絹糸を製品に合わせて何本づつと決まった数の糸に撚りをかけて1本にする 糸が切れないように水分を含ませながら重さを調節して撚りを強くする過程もあった 色々な重さを調節する錘の束 地紋の入った白生地が織られていく 他にもたくさんの機械や大きな糸車のような糸を巻き取っていくものとかあった 古い機械はもう製造していないし、壊れたら大変だろうなと思った 60代の社長、娘3人(20代と10代)長女がお婿さんを貰って家業を引き継ぐ為に夫婦二人ともが 修行中とのこと、今年の春から次女も家業を手伝う為に戻ってきたらしい 田舎の伝統産業を引き継ごうとする若い世代がいる それだけで頑張れと応援したくなった おっちゃんは1代限りで息子たちに継承するつもりが初めからなかった どんどん廃れていく伝統産業に息子達の未来を縛りたくない ずっとそう言っていた でも、ずっと好きで続けていた仕事、、、 経費や体力等条件が合えばもう少し続けていたかったのも事実だろう 自分がずっと携わっていた着物業界・・その白生地の産地の現場の様子 私も話を聞いていただけだったので、現場を見られて胸に来るものがあった おっちゃんも何とも言えない表情を浮かべていた この日一日で何とも内容の濃い一日になった 朝の7時に出発して20時位に自宅に戻った日帰り旅 距離も350キロ 今日のドライブもだけど長年の引き染めの仕事も・・・本当にお疲れさまでした お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[日々雑感] カテゴリの最新記事
|