|
カテゴリ:本
瀬尾まいこ原作で映画も公開された(のか?)「幸福な食卓」の本を買った。
ハードカバーでだいぶ前に発刊されていたみたいで、私が中学生からの講師で何年かは同僚の先輩だったさんのうさんが「絶対好きやと思う」と薦めてくれた本の1つだ。 それが文庫になっているのを偶然見つけて一気に読んだ。 「幸福な食卓」という題名からは想像もできない家族の傷ととんでもない結末… 私はなんでもないシーンでも涙なしでは読めないほどだった。 家族の愛情… 温かくてたまらない中にある不器用な生き方。 不器用な生き様を見るとたまらなく切なくてでも共感もし感情移入をしてしまうのだ。 予想ができない行動をする兄の彼女ヨシコがある出来事で心が壊れてどうしようもできない主人公佐和子にこんなセリフを言いやり取りをする。 「恋人はいくらでもできるよ。 今、そんなこと言うの最悪だけど… 恋人も友達も何とかなるよ、あんたの努力しだいで。 でも家族はそういうわけにはいかないでしょう? お兄ちゃんの代わりもお父さんの代わりもあんたの力ではどうすることもできないじゃん」 「だから大事にしろってこと?」 「もっと大事にしろも思うし、もっと甘えたらいいのにって思うよ」 「意味がわからない」 「家族は作るのは大変だけど、その分めったになくならないからさ。 あんたが努力しなくったって、そう簡単に切れたりしないじゃん。 だから、安心して甘えたらいいと思う」 軽くて好感をそんなに持てなかった佐和子と同様に、私も彼女から出てきたこのセリフにびっくりしたのと同時に胸にズッシリときた。 家族に甘える… ここ何年かでその意味が少しずつわかり出してはいるけれど、昔の私には一切わからないことだった。 傷をそれぞれ抱えて生きている家族に甘えることや迷惑かけることを極端に嫌がった。 でも、きっとそうじゃなかったんだろうな… 中学生のとき、もしこのセリフを言ってくれるヨシコが現実にいたら… 何かが大きく変わったんだろうと思った。 私が好きな本には必ずといってもいいくらい不器用な家族が登場していることにも気づいた。 なんでここまで不器用な家族に惹かれるのか… 答えは簡単だった。 自分が不器用な人間だからだ。 こんなことを言うとピンとこない友達の方が圧倒的に多いだろうな。 いつも笑っていて楽しそうで前向きな姿。 もちろんそれはそうなんだけど、そうじゃない部分は誰にでも当然あり、私の場合は自分の気持ちに気づいてるくせに気づかない振りをするのがとても上手く、そして気づかない振りから本当にきっかけがないと気づかなくなるのだ。 だから、私にとって「暗」の部分は今日みたいに感受性を最高潮に高めてしまう本に出会い、何かが溢れかえりながら手紙を書くとリアルに自分がよくわかるらしい。 瀬尾まいこの「幸福な食卓」 オススメの1冊です☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 1, 2007 07:59:50 AM
コメント(0) | コメントを書く
[本] カテゴリの最新記事
|