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テーマ:日本語教師への道(70)
カテゴリ:日本語教師になるために
私は学生です。
口にだして読むと、 watashi wa gakusei desu になります。 「は」=「わ」です。 冷静になって考えると、これって不思議ですよね。無意識にしている事ですがその理由は何なのでしょうか。調べてみました~! サムネイル画像が何もないとさびしいので、昔私が書いた「バルタン星人」の写真を載せてみます。本文とは一切関係ありませんのでどうぞ安心して続きをお読みください。 ◆どんな場合に「は」と読み、どんな場合に「わ」と読むのか これは、「は」が語頭に来る場合は「は」と読みます。真ん中に出てくると「わ」と読みます。つまり、語中・語尾にくる「は」は「わ」になります。無意識に読み分けていますが、あえて文章で説明するとこうなります。もちろん語中に出てきても単語は「は」と読みます。(例:箸は端に置いておいてね。) ◆いつ「は」と「わ」の発音を使い分けるようになったのか 平安時代の末期に、「ハ行転呼」という現象が起きます。この現象こそまさに「語頭以外の「は」を「わ」と発音する」というようなルールです。 ◆しかし、表記としての「は」は残った 発音は「わ」になっても、文字で書く場合は「は」の文字が採用されました。だから「は」と書いて「わ」と読むというごちゃごちゃな現象が起きています。 ◆昔は、haという発音はなかった 奈良時代以前、「は」は「pa」と発音されていました。つまり、「母」は「papa」と発音されていたのです。それから「fafa」となり、現在の「haha」になりました。なので、江戸時代以前は「papa wa genki desu」は「母は元気です」という意味でした。江戸時代から語頭の「は」は現代と同じ「ha」と発音されるようになります。 面白い例をあげると ⇒『梅の花 見にこそ来つれ うぐひすの ひとくひとくと いとひしもをる』 (『古今集』巻十九、雑躰、誹諧歌) この「ひとくひとく」は「人来人来 (人が来る、人が来る)」というものと鶯の鳴く声をかけているとされていますが、私たちの感覚で読むと「htk」で鳥の鳴き声になんて聞こえません。けれど、昔の発音だと「ptk」になるのです。ピーチクパーチク。なるほど、というかんじですね。(亀井孝「春鶯囀」) ◆そもそも何で発音が変わっていったのか 言葉は変化するもので、それは文法や言い回しだけではありません。発音だって変化するのです。一説によると、食べるものがどんどん柔らかくなって顎が退化していった影響だとかなんだとか。 ◆何故、昔は違う発音だったことが分かったのか? 中世、多くの宣教師が日本にやってきました。彼等が残した資料、キリシタン資料が当時の日本語について書き記していて、大きな手がかりとなっています。 こちらとこの質問サイトの回答を参考にさせて頂きました。論文などをちゃんと読んだわけではないのでつっこんだ話までできなくてごめんなさい(2016年4月9日閲覧です) CiNiiで検索したら 「ハ行転呼音」は何故「平安時代」に起こったか--日本語音韻史の視点と記述 (平安時代語研究<特集>) という論文を発見したので是非読んでみたいのですが、今のところCiNiiに本文がないので近い内に読める機会は残念ながらなさそう興味がある方は是非!そして私に教えてください~!(笑) 日本語教育能力検定試験に出そうな単語は「ハ行転呼」と「キリシタン資料」だけですが、こういう知識を持っていたら何かに役立つかもしれません。また面白そうなネタがあったら調べてみたいと思います~! では、また\(^o^)/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.04.10 11:14:32
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