空港の全身スキャナーで禁止品多数発見 米運輸保安庁が成果強調
ワシントン(CNN) 米運輸保安庁(TSA)は、テロ防止の目的で一部の空港に導入した「全身透視スキャナー」によって、乗客が隠していた危険物などが多数見つかり、空港の安全が大幅に強化されたと発表した。
全身透視スキャナーは衣服を透かして所持品を検査できる装置で、約1年間にわたる試験期間を経て、現在米国内の23空港に46台が導入されている。今度は導入のペースを加速させ、2011年末までに約1000台の設置を目指す。
TSAは、乗客が巧妙に隠して持ち込もうとした危険物など60点以上をこの検査によって発見できたと成果を強調している。バージニア州リッチモンドの空港では腰の部分に隠されていたナイフが、アリゾナ州フェニックス空港ではかみそりの刃が見つかったほか、機内への持ち込みが禁じられている液体入りの瓶なども発見されたという。
人体に重なる形で映し出された禁止薬物とみられる物体の写真も併せて公表し、こうした薬物は金属探知機では発見できなかったとしている。
米国で昨年12月に起きた航空機爆破未遂事件では、乗客が下着の中に爆発物を隠していたとされ、全身スキャナーへの注目が高まった。これまでのところ爆発物が検出された事例はないが、「身体に隠された非常に小さな物体でも見つけられる」(ロシデスTSA長官代行)という。しかし身体の細部まで透けて見える検査は米国憲法に違反するとの声もある。空港での手荷物検査をめぐってTSAを提訴したことのある作詞家のジョン・ペリー・バーロウさんは「技術が新たな進歩を遂げるたびに、憲法修正第4条や権利章典を持ち出さなければならなくなる」と批判している。
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