高齢者向け賃貸住宅 #0009 (第198号)
≪前回「高齢者向け賃貸住宅 #0008」からの続き≫【高齢者向け賃貸住宅を必要とする方(ターゲット)】 ・ 70歳以上の独り暮らしの方、老老介護・認認介護で苦しんでいる方 単身急増社会の衝撃価格:2,310円(税込、送料別) ・ 自宅の維持・管理が辛く感じる方 ・ 自宅の維持・管理に、将来が不安だと感じる方 ・ 特別養護老人ホーム待機者 ・ サラリーマン定年退職後の年金生活者 → 現在の年金受給者の受給額平均は、 月158,000円前後と聞いたことがあります。 この年金受給額の範囲内で、 住居関連費に割くことができる上限金額を推定すると、 食費・服飾費・保健(健康/介護保険料・医療費)・通信交際費等を考慮して、 60,000~65,000万円くらい(共益費込)かなぁと考えてます。 個人差の出やすい服飾・交際費を除いて、 ほぼ共通に同額の予算計上をしてもよい給配食費(月30,000~35,000円程)を 含めた賃料(共益費込)では、約10万円となってしまいます。 介護保険サービス(利用料1割自己負担)や 生活サポートサービス(全額自己負担)の利用も前提とすると、 賃料(共益費込)単体では、45,000~55,000円くらいになるのかな?どうかなぁ? これを高齢者向け賃貸住宅の家賃単体水準とすると、 大阪市内で、20~25平米クラスの部屋を提供するのは、 大家としても限界ギリギリかもしれません。新築なら、より厳しい? 大家が破綻してはいけませんし、難しいですね。 大阪府下(郊外)で、中古アパートを上手く転用するなど工夫して何とか・・・という感触。 なので、表面利回りは15%レベル以上の中古物件でないと苦しいかも?【高齢者向け賃貸住宅のコンセプト】 ・ 賃料(共益費込)/通常給配食費合わせて、月10万円ほど。 入居保証金も、他の高齢者向け施設と比べて用意しやすい、 30~50万円の設定。 ・ 基本契約は、一般の賃貸借契約と同じ。 → 物件として、行政支援・補助・助成を受けることがなく、 入居イコール介護保険サービス利用と連動してはいない一般賃貸住宅である。 ・ 介護保険対象サービスや生活サポートサービスは、 個々の入居者が、必要に応じて、サービス提供業者と個別契約する。 食事に関しては、 入居者がメニュー内から自由選択したり、外食が多い方(自主選択)向けか、 提案メニュー(定額)を受けるのが楽で良いという方(お任せ希望)向けかの どちらかに絞り込まないと、 毎日、朝・昼・夕のことなので管理が追いつかないかも。 ・ 入居者のニーズに応える各種サービスがニーズに応じて、 ワンストップサービスとして提供されること。(個別契約) → 財産管理、任意後見、死後委任契約(遺言書の作成・実行)など。 ・ 施設よりもプライバシーが保たれるのに、 ある程度のコミュニティーも形成しやすい住宅であることはPRできそう。 施設よりも、気兼ねなく自由に外出できるなど、 行動自由度が高いのもメリット。【高齢者向け賃貸住宅の基本仕様】 * バリアフリー、緊急連絡システム設備他の当然あるべきものは省略してます。 ・ 部屋は、最低12平米以上(高円賃/高専賃みたいな法規定はないけど)。 ・ 戸数は、介護支援事業者などのサービス提供業者が 同じ建物にテナントとして入る場合は、20戸以上は欲しいところ。 → しかし、先述の表面利回り15%以上を確保しつつ、 各サービスを適時に提供できる利便性の高い地域で、 20戸以上の建物・敷地を用意できるような立地を大阪府下で探すとなると、なかなか・・・。 建蔽率60%の地域で、2階建20戸、1戸12平米、 共用設備(食堂・厨房・男女別風呂・脱衣所・トイレ・リネン室)を1階に180平米、 サービス提供業者用リーススペースを2階に60平米、 (比較的健常である高齢者の一部4戸も2階に入居) 共用設備スペースを賃借スペースとみなしたレンタブル比を15%と仮定すると、 建築面積約440平米・述床面積570平米くらいの建物規模になって、 必要な敷地も740平米くらいとなってしまいます。 外れに路線価7万円程で比較的交通の便の良い敷地があっても、 敷地代で約5,200万円、 減価償却済みの中古アパートをローコストで転用して建物代として 570平米×6万円≒3,400万円を見て、企画費・諸経費を15%分加え、 総額1億円の投資とすると、満室時表面利回りは、 (20戸×家賃5万円×12ヶ月)÷1億円×100=12%ということになるのですが・・・。 立地にもよりますが、 1階の共同食堂を、営業許可を取って軽食カフェテリアとして 収益化を図るアイデアもアリです。 外部の方と同じスペースで食事できるのは、 入居者にとってもマイナスではないと思いますし・・・。 その他アイデアの種は、ある程度カタチが見えるようになるまでは、 非公開日記に書き留めておきます。自分自身でいくつかの想定事例を企画・試算してみて、事業の輪郭(イメージ)を把握しておくことは無意味ではないと思うので、この先も、ちょくちょく考えていこうと思います。 ---------------------------------- 以上を、入居者と利用サービスとの関係でまとめると、 入居者 ・・・ 住まいの提供(大家) 企画運営者(大家或いはコンサルティング/事業運営支援業者) ・・・ 給配食事業者(食堂運営/宅配など) ・・・ 介護保険サービス(在宅介護支援事業者) ・・・ 日常生活支援サービス(民間専門業者又は在宅介護支援事業者の一部) ・・・ 在宅医療サービス(かかりつけ医訪問) ・・・ 在宅調剤・介護品補充サービス(薬局・薬の宅配) ・・・ 相続・後見ほかの委任(司法書士/弁護士事務所など) ・・・ イベント開催・コミュニティー熟成(大家ほか) マンション力価格:2,310円(税込、送料別)≪次回「高齢者向け賃貸住宅 #0010」へ続く≫