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「だから不信な人とは暮らせない」
「・・・・・・・。」 とうとう加奈にこの事を言うことが出来た。 もしこの件で加奈と終わったとしても仕方ない。 ずっと引っかかっていた喉のトゲの様な存在の気になって仕方ない実体にやっと触れることが出来た。 不思議なほどどっしりと落ち着いて加奈とこの事について対峙している自分に驚いた。 しばらくの沈黙の後、加奈が静かに涙を拭いながら重い口を開く。 お昼時の賑わっている喫茶店の中でだが何も雑音が耳に入らない。 加奈は俺の言葉に、俺は加奈の言葉にただただ集中していた。 「・・・私、もしかして今フられたの?・・・・」 Mailが見つかる→ケンが怒る→結婚話はオシマイ→フられる→終了 と思っているんだろう。 打開策はあるのか無いのか、それも分からない。 「なぜあの後、約束したMailを奴に送らなかったの?アドレス帳からなぜ削除しなかったの?」 「私がすると言ってヤってなかったのがいけなかった。」 「なんで、あのとき俺もMailを送るのを止めてしまったのか後悔している。加奈を100%信じてたからね。裏切られた形になったけど」 「ご免なさいホントにご免なさい!どうしたら赦してもらえるのか何でも言って!私何でもするから!」 隣のカップルがチラチラこっちを見るが加奈はお構いなしだ。 恥をさらしても俺をつなぎ止めておきたいという気持ちが伝わってくる。 「どうしてか理解できた?」 「私が・・・・私がヤるといったことをしないでケンさんに誠意ある行動したませんでした。でも、気が有る訳じゃないし・・・・」 「Mailの内容を知っているんだよ!気がない様には受け取れない!」 「無いのホントに無いの!どうしたら信じてもらえるのか。。。。」 「いままで俺は加奈に甘かったようだ。まずこの場で奴にMailをしろ!それからこの場でアドレス帳から削除しろ、そして二度と連絡を取り合うな!最後に加奈のアドレスも変更しろ。今スグだ!着信も知らない番号は掛からないようにセットし直せ!」 いつの間にか命令口調で荒々しい言い回しになってしまう。 恵子さんの言うようにその場ですべて確認する作戦に出た。 決して自分が言った言葉を途中で引っ込めてはいけない。ヤると言ったことは最後までやり遂げさせる。 ここで加奈が拒否したら、俺たちはこの場で終わっていただろう。 加奈はスグに行動に移し完了した。 完了したからには、暖かく迎えなければならない。よね? 「俺の嫌がることを2度とするなよ」 と言って店の外に出た。 そして、繋いだ手をギュッと握った。 加奈へのワダカマリは消えたわけで、加奈は住むところを探さなくてはいけない。 加奈と暮らしてみるかなぁ。 ちゃんと考えよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 8, 2007 09:27:14 AM
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