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カテゴリ:高校サッカー
第84回全国高校サッカー選手権群馬県大会決勝
伊勢崎商が選手権上位常連の前橋育英を破り、 創部55年目で初の選手権出場を決めた。 前橋商、前橋育英以外の高校が選手権に出場するのは24年ぶり。 育英が2年連続で選手権出場を逃したのは16年ぶり。 群馬名物空っ風とまではいかないまでも、 試合前から会場にはもの凄い強風が吹き荒れる。 あたかも波乱の試合展開を予測するかの如く・・・。 前半風上に立ち、フィジカル、テクニック、スピード等、 総合力で上回る育英は序盤から中央突破で伊商陣内に攻め込み、 何度も決定的なチャンスを作り出す。 反町はFWではなく、2列目のポジション。(これが結果的に裏目に出てしまったのだが・・・) 風下の伊商はゲームプラン通り(?)前半はとにかく育英を0点に抑えるべく、 中盤での速いチェックと体を張ったDFで育英の猛攻を防ぐ。 試合展開は戦前の予想通りボール支配率は圧倒的に育英。 伊商が突破力のあるFW関らを中心に時々カウンターで育英陣内に攻め入るも、 高さ、強さ、速さを兼ね備えた育英のU18DF堀越や市川、笠原に抑えられてしまう。 そんな中まさかのアクシデント。 育英の守備の要、DF堀越が相手ゴール前での競り合いで元々傷めていた右足を再び傷め負傷退場! 更に前半終了間際にはもう一人のDF市川も負傷退場!! 育英は試合半ばにしてCB二人を欠くという苦しい展開に陥ってしまう。 いくら選手層の厚い育英とは言え、これで選手達に動揺が走らない訳は無い。 後半に入ると共に序盤から伊商が攻め込む。 後半1分、伊商MF須藤が蹴った右CKのボールがカーブを描いてそのままゴールイン!! 戦前の予想に反して伊商が先制する。 まだ後半開始早々ということもあり、戦力に勝る育英側にはこの時点でそれ程焦りは見られなかった。 正直、前半から伊商が積極的なプレスをかけ続けたことで、 いつ伊商の体力、集中力が切れるのか、そこが勝負の分かれ目だと思っていた。 しかし、後半半ばを迎えても伊商のプレスは衰えず、 むしろ勢いを増しているかの様に見えた。 伊商のプレスの前に育英は殆どチャンスを作れない展開が続く。 焦った育英は1ボランチにしFWを投入。 2列目の反町も本来のトップへ上げ、より攻撃的な布陣を敷く。 が、伊商のGKの積極果敢な飛び出し及びDFのゴール前での体を張ったDFの前に、 なかなか伊商ゴールを割ることが出来ない。 この様な展開のまま試合時間も残り2分を切ったその時、 伊商MF須藤が育英GKが前に出た一瞬の隙を突いてロングシュート! これが決まって2-0とほぼ試合を決定付ける。 3分のロスタイム、育英はFW反町を中心に全員が上がって徹底的にパワープレーに持ち込み、残り1分で反町が意地のゴールを決め1-2と1点差に詰め寄る。 更にその後育英は左サイドでボールをキープしたMF田中からMF高田→FW廣瀬とボールが渡るがこれを痛恨のトラップミス・・・。 結局このまま試合は終了し、伊商が創部55年目で初の選手権出場を決めた。 プリンスリーグ関東準優勝、全日本ユースベスト16、 国体準優勝チームの主力を占めたタレント軍団。 出場すれば毎年優勝候補に挙げられる前橋育英が決勝で敗れるというまさかの試合結果・・・。 育英は何と言っても守備の要である2人のCBを前半で欠いた事が痛かった。 これにより後方からのビルドアップ及びDF堀越の左足からの鋭いFKを使う事が出来なくなってしまった。 また、プリンスリーグ及び国体では大活躍、 J1新潟入りが内定した主将田中亜土夢は今日の試合では本来の動きを見せられず、 チームも全体的に選手の動きが重い様に見受けられた。 一方、国体選抜には一人も選ばれていなかった伊勢崎商が、 県2強の前商、育英を破り初の選手権出場。 果たして全国で勝ち抜けるのか? プリンスリーグが正式に始まってからというもの、 育英はここ数年この時期から選手権にかけてどうにも調子が出ない状態が続いている。 今までこの年代にとっての最重要大会と考えられていた選手権が全日本ユースに徐々にシフトしていってしまうのか? コンディション調整及びモチベーション維持が難しくなって来た事は間違い無い。 今年は全日本ユース出場の2校がインハイ、選手権共にどちらも出場出来なかったという事実もそれを象徴している。 インハイに出場した桐生一は悲願であった前商、育英を撃破した事により、 県予選で燃え尽きてしまったのか? 予選決勝後からは徐々に調子を落とし、本番では初戦で惨敗を喫してしまった。 今回選手権出場を決めた伊商には是非ともそのような事が無いように本番までにしっかり調整してもらいたい。 群馬代表が準々決勝前に敗退することはあってはならないのだから・・・。 MF須藤のテクニック、FW関の突破力は全国でも通用するだろう。 問題は今日のような試合全体を通してのプレスが最後まで続くのかどうか。 それが勝利のカギになる。 監督が只者ではないので何とか期待したいものだが・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.11.13 02:28:41
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