漫望のなんでもかんでも

2019/05/10(金)21:42

チキンレース

 中国、イランに対する強硬姿勢が支持されてトランプの支持率があがっているそうな。  特にイランに対する姿勢は、チキンレースに近い。  イランが明白に「核合意」を破っているという証拠を情報機関は握っているのか?イラクに攻撃を仕掛けた時に、「イラクは大量破壊兵器を持っている」という情報を確たるものとしてブッシュに上げた情報機関が、そんなに腕を挙げたとは信じがたい。  「現在挑発行為を行っているのはアメリカで、私はアメリカの行動の方が心配だ」と語っている識者がいたが、偶発的な事件が戦争に直結する可能性は大きい。  キューバ危機の際、後になって当時の関係者が集まって「いまだから話そう」という番組を見たことがある。軍の「キューバに侵攻すべし」という強硬論を押えたのはケネディだったが、もしも米軍が侵攻してきたら、それに対して小型の核兵器を使用する予定だったとキューバ側の出席者が語っていたのが忘れられない。そうなった場合、その後の展開は悪夢となっただろう。  今回は、原子力空母を派遣するとトランプは息巻いている。どうせボルトンあたりから吹き込まれたんだろうが、十年一日のごとく強硬論を吐いていればいいと思っている頭の悪い奴だけが政権に残った結果がこれである。  外交というものを知っている常識人はすべてやめさせられている。  「偶発事故」というものは、誰も予期せぬ状態で起きるから偶発なので、それが起きる確率を人為的に下げるのが常識というものである。  現政権は、意識的に確率をあげている。それを支持する国民が増えているというところ、アメリカ人は、西部劇のヒーロー気取りのようだ。  正直、朝のテレビをつけるのが怖くなっている。

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