2010/05/24(月)07:51
「続・CB750Fourというバイク」
CBを手に入れてしばらくは浮かれていたが、
当時はお世辞にも治安が良いとは言えない環境だったので、
小さいトラブルが頻発した。
名前さえ知らない”鑑別所あがり”の先輩やら
連れの先輩の先輩などど訳のわからない連中から
「ナナハンを貸せ!」
だの
「半殺しにするぞ!」と狙われだしたのだ。
すなわち、ナナハンを乗り回しているだけで
生意気だということだ。
貸せ、なんてやさしく言ってるが
「いつ返すかは不明。」ということ。
こうなってくると当然、おおっぴらに自宅にCBを
置いておくこともままならず、
大きな屋敷に住んでいた友人の庭先に一時隠したりと、
なかなかと手を焼いた。
また、ほんの数十分街中に停めていて
サイドカバーが盗まれた事もあった。
当時”ナナハン”というのは、若者のあこがれ。
それだけ存在が大きく目立つ存在だったので、
所有するということは
リスクも背負う、ということだ。
そんな訳で充分すぎる程楽しんだ
ナナハンとの青春だったが、
これもまた若者らしい「維持費が続かない。」
という理由で手離してしまった。
その後何十年も経過し
その間幾度と無くCBの夢をみた記憶がある。
そして憧れの”ナナハン”にもう一度乗ってみたく
専門店の扉をたたいた。
もう何年も触ったことすらなかったが
相変わらずわかり難い位置にある
キーシリンダーのキーをONにし
セルボタンを押すと、短いクランキングのあと
あの独特の排気音が響き渡る。
これはCBの数ある魅力の内の一つだ。
走り出すと、CBは待っていてくれたがごとく
すんなりと受け入れてくれた。
何一つ変わらず、あの頃のままだ。
もう二度と手ばなさないと誓った。
CBはいうなれば”タイムマシン”だったのだ。
余談になるが中部地方ではいまだこのCB750フォアは
絶大なる人気があり、イベントともなれば
軽く何百台も集結する。
特徴的なのはそのオーナー層なのだが
意外に10~20代の若者も多く
いまどきのギャル風ライダーも沢山存在する。
何十年を経ても時代の若者を魅了する
CBは凄い。
CBで生計が成り立っている人も大勢いるのだ。
こんな偉大なバイク、他にあるだろうか?
~終~
東本昌平 RIDE Motor Magazine.co.jp
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