2005/06/16(木)18:18
テオ・アンゲロブロス『エレニの旅』を見てギリシャ現代史を思う
ギリシャの映画監督テオ・アンゲロブロスの6年ぶりの新作
『エレニの旅』を見に行きました
1919年赤軍のなだれ込むオデッサで孤児になり、
難民としてギリシャに戻ったエレニ
ギリシャ内戦の中でふたりの息子を失う1949年までを描く
エレニという名前はギリシャによくある名前で
ギリシャそのものも意味する
エレニに重ねて
アテネオリンピックの映像を見たときはあまり感じられなかったが
人々が苦しんだギリシャ現代史の悲劇そのものが描かれる
テオ・アンゲロブロスの語り口は
詩情豊かに印象的な映像を長い固定したシーンの描写で重ねて行く
その映像は悲しみをたたえて美しい
その美しいシーンを見ていると、
そこにいる人々の悲しみや怒りが心の底から浮かび上がってくる
●テオ・アンゲロブロス簡単な紹介
1935年4月27日、アテネ生まれ アテネ大学法学部から兵役
1961年 パリ ソルボンヌ大学に籍をおいてアンリ・ラングロワのシネマテークに通う
1962年 イデック(映画高等学院学校、IDHEC)に入学
1964年11月 軍部台頭で政情不安定なギリシャに帰国
1974-75「旅芸人の記録」
1984 「シテール島への船出」
1988 「霧の中の風景」
1995 「ユリシーズの瞳」
1998 「永遠と一日」
●『エレニの旅』のホームページ
http://www.bowjapan.com/eleni/