カテゴリ:仁徳
先日、居酒屋で、ちょっとした思い付きを友人の富さんに話したら、
「さすが!あんた天才だよ。」と富さんは喜んでいたが、わたくしが天才なのではなく、あんたが普段から思考していないんだよと言いたかった。 でも、座がシラケルから止めた。 天才とはなんだろう。世間はどういう人を天才というのだろう。 エガス・モリスというポルトガル人の医者は、1949年にノーベル生理学医学賞をとった。 ノーベル賞を受賞すると、「天才」と多くの人から言われる。 なぜならノーベル賞は、“正しい社会貢献性”のある大発見に対して与えられるものだからだ。 当然、モリス氏も当時は「天才」と呼ばれた。 しかし、今では彼のことを民衆は“気違い”と呼ぶ。 モリス氏の受賞理由は、「ある種の精神病において、ロボトミー手術の治療的な価値を発見したこと」である。 ロボトミー手術とは、精神疾患者の脳の前頭葉を切ってしまう治療法。 この手術をすると、精神疾患者の治療になると世界的に認められたため、ノーベル賞を受賞したのだ。 当時からこの手術により、廃人になってしまったり、死んでしまったりする副作用もあったのだが、時代が悪く(第2次世界大戦のため、疾患者が非常に多かった。)、まだ薬物療法が発見されていなかったので、手に負えない患者の増加を解決したことで、認められたのだ。 ところが、その後、薬物療法の進展と反比例し、モリス氏の評判は180度変わっていく。 べつに、モリス氏のことを批判しているのではない。 伝えたいのは、「世間の考え方の大河のような流れ」である。 わたくし達は、常識や当たり前、そして天才とされた人の発見に洗脳されやすい。 大河の流れに逆らわず、ゆっくり全員同じペースで行くと楽だからだ。 例えば、私たちは資本主義がベストだと思っているが、“私のインターネット図書館”で紹介してある「お金のない国」のように常識を真っ白にすると、あれ?と思うことが沢山ある。 私は、そういう発想をできる人を天才と呼ぶ。 大河の流れを変えられた人を天才と呼ぶ。 横尾けいすけ yokoo@yokoo-jp.com お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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