こちらは 映画や小説などの感想文(レビュー)です。

2011/12/23(金)06:07

松井冬子(第2章 主張の概要)

松井冬子(5)

 この世で一番美しく、一番魅力なものは何だろうか。花だろうか、星だろうか、富士の山だろうか、海だろうか。 答えは、人間の女性である。この世で一番に美しいのは女なのだ。中でも大和撫子は素晴らしい。絹の肌と白魚の手を持ち、黒い瞳には深々とした奥深さを感じる。 日本人女性こそが、この世で一番美しいのだ。  松井冬子の作品は、女、もしくは雌が描かれる。描かれる女は、若い女か、幽霊が多く、私には全てが日本人女性としか見えない。その可憐で華奢な四肢からは、東洋人というより日本人女性にしか見えないのだ。もし、そうだとして、なぜ、松井は大和撫子しか描かないのだろうか。たしかに松井の描く日本画には、日本女性がしっくり来るのは理解出来る。インクも画紙も大和撫子の方がはまるのだ。しかし、それ以上に理由があるからこそ、日本人女性ばかりを描くのだろう。  その理由は、私と同様、松井も大和撫子を愛しているからだ。美しいと思っているからだ。松井の作品をグロテスクに感じる方も少なくない。目を背けてしまう人も居る。血やはらわたを繊細に描く事に嫌悪する人も居る。しかし、もう一度見てほしい。それは真実なのだ。生々しいはらわたも血も、全ての美女が持っているものなのだ。それがタブーとされた社会だから、女のはらわたに愛しさを感じる男はゼロに近い。しかし、松井は主張する。その内側も真実であり、美なのだ。  ほんとうの意味での「きみの全てを愛する」が、松井の世界にはある。 松井冬子展 ー世界中の子と友達になれるー 横浜美術館 201112/17~2012/3/18 http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2011/matsuifuyuko/outline.html 横尾けいすけ Yokoo Keisuke mail to keisuke450@gmail.com

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