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アメリカ人は戦争で負けたことが無いから、戦争映画を上手に創る。
その点、邦画での戦争ものとなると、涙が溢れるか仁義ものかになってしまい、映画としては“重い”のだ。
負け知らずのアメリカ人が戦争映画を作ると、良い悪いは別として、余裕のある「平和願望」がメッセージとして伝わることが多い。
アメリカ人監督の中でも、クリント・イーストウッドは戦争映画の名監督だ。
殺し合うことの無情感を理解し、伝える事の出来る第一人者だ。
そんなイーストウッドが監督を務めたこの映画は、やはり期待を裏切らなかった。
主人公のカイルは、当初、アメリカを守るために海軍に志願し、スナイパーとして最高の結果を出す。合計4回の出兵をし、レジェンドの愛称を得る。
しかし、その後にカイルは心を病んでしまう。そして良質な精神科医のお陰で良くなる。そこで考えたいのは、何故にカイルが心を痛めたかということだ。
精神科医とのカウンセリングの時、カイルはこう言う、「敵を殺した事にストレスは全く無い。しかし、守れなかった仲間が残念でならない」
この心情は、当初のアメリカ(国家)を守るためという信念と少し食い違っている。「米国のため」と「米国人のため」は少しだけれど違いがあるのだ。
国のため民族のために戦うのと、仲間のため同胞のために戦うのは、似ているけれど、復讐心の面から見ると少し違う。
仲間のために戦うと、復讐心が表に出やすい。
復讐というのは、成し遂げたところで、もの悲しいだけだ。
達成感や充実感は得られないのだ。その後の人生にあるのは、空虚だけだ。
思えば、アフガニスタン紛争、イラク戦争は、復讐から始まった戦争。
同時多発テロをされて復讐するのが良い悪いでなく、私が言いたいのは、復讐に充実感は無いということだ。
イーストウッドのメッセージも、同じだと感じた。
大切な あなたが 幸せでありますように。
横尾けいすけ
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