2004/09/14(火)02:35
修羅場のマネー哲学(木戸次郎/幻冬社アウトロー文庫)
「月収20万円台で月に150万円はふつう返せると思わんぞ」
とにかくすごい本なのであります。
もともと商才がある人だったようで、
永田町のど真ん中におふくろの味の弁当屋を作って
大繁盛させたり(最終的に地上げされちゃったけど)、
バブルまっ最中に証券会社に入って半年でトップセールスマンに
なったりというのは、時代の流れがあるにしてもすごい事です。
そんな筆者が(やっちゃいけないけどみんなやってた)
株式の信用取引を始めたところでバブル崩壊。
あっという間に1億5千万円もの借金を抱えてしまいます。
ふつうなら首をくくってしまいたくなるところですが、
ある出来事のために石にかじりついても返済する決意をします。
で、株で開けた大穴は株で取り返すという決意で、
3人の顧客から成功報酬で株式の運用を委託してもらいます。
幸運にも恵まれつつ、株式の運用哲学を体得していくのですが、
簡単に書けば、「上る材料がある株を探して」「上る前に買い」
「上るまで持ち続ける」ことに尽きます。
個人的にはこういう株式との付き合い方は「ギャンブル」
ではないかと思うのですが、それでもこの筆者のやり方で、
150,000,000円の借金を見事に全て返済してしまっている
のですから、部外者がとやかく言う筋合いはないのでしょう。
どん底から実力で這い上がってきた人の言葉には
言い尽くせない重みを感じます。
この本から何を読み取るかは人それぞれだと思いますが、
(株の本だから株式市場との付き合い方がメインですが)
冒頭の弁当屋の話から市場調査の重要性を読み取るのも良し、
証券会社であっという間にトップセールスマンになった
方法論を学ぶのも良し、人との付き合い方を学ぶのも良し。
何にせよ、一言では言い表せない本です。
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