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岡崎里美の世界

2011年07月15日
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カテゴリ:岡崎里美

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没後3年、昭和49年に発行されたこの本で彼女の事を知った。
東京ほどではなかったけれど、まだリミの生きて来た時代の雰囲気は残っていた気がする。
「生きる事に疲れちゃった」彼女の遺書を転載します。
最期の日付で彼女はPM9:00と記している・・・午後3時にはもうこの世にいなかったのだが、単純に彼女の書き間違いだとは思いたくない。
日記の中で・・・あたし、死がこわいのです。
死そのものがこわいのではなくて、死の後、死んでから先、それがわからないからいやなのです・・・と書いている。
自分が存在していないだろう午後9時の時間を敢えて書いたのではないだろうか?
微かに残されていた生への未練・・・考え過ぎ?
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自殺への序曲 (どういうわけだか、かっこいい題だと思いますよ)
 
本当は何だというのでしょう。私はすでに自殺を決意してしまったのです。

私の生きていく余地はありあまっています。それをフルに活用できないのは、あたしの意地のなさか、あるいは、中途半端なためなのでしょう。

 あたしが生まれたのは、今から17年前の春でした。名古屋の中の、とあるちいさな病院でした。最初から未熟児のあたしは、たたかなければ泣かなかったといいます。もしかしたら、最初から死んだも同じだったのかもしれないのです。

それから17年間たってしまった今、死ぬのにも早すぎるし! 生きていくのにもおそすぎるのかもしれないのです。

今まで何をしてきたのか? そしてこれから何をしていこうというのか?

13の時だかれてから、なんにんかの人にふれられてきたあたし。大切なことのようにおもえたSexも、ついに娼婦にもなることが出来なかった。

全てのことに、フンギリがつかず、あたしは今になって、自分というものを見失なったようなのです。 

本当のことを書いていくのには、たいへん勇気がいります。

あたしには、それだけの勇気があるのでしょうか?あたしは昔からずいぶんとわがままだったのです。

小学校の時にはろくな思い出がない。あたしはクラスのきらわれものだったように思うし、一緒に帰る人もいなかったように思う。

見栄とプライドとが一緒になってたいへんくやしかった。淋しかったようには思わない。あたしは人気者ではなかったし、頭もそんなに良い方ではなかった。

他人の物は見ればすぐほしがるし一度か二度、だまってドロボウしたことがある。ばれた時はとてもはずかしかった。呼ばれる時はいつも名前で呼ばれず、たいてい苗字だったと思う。

それから両親が離婚した。母が分裂病になった。それとこれとはほとんど同時だったし、あたしにはほとんど何が起ったか知らずにすごしていた。

それからおやじのこと……。本当をいうと、あのころのことは場面場面でしか覚えていない。

父とくらしていた時あたしは母の病気は心ぞう病だと思っていた。

夜、とても母に会いたくなって見まいに行くといい、行ってはいけないと、どなられぶたれた日のこと。父の情婦はとてもやさしい人であること。

学校の帰りにたいてい甘栗をかってかえったこと。となりの女の子がびっこだったこと。その子と良く石けりをしてあそんだこと……。ほとんど何も考えなかった。考えていたのかもしれないけれど今になってなにも覚えてはいない。
 

そうしたある日、学校に母がむかえに来てあたしを川崎のおばの家につれていった。

父の所へ帰りたいといって泣いた。こたつにねころがってぽろぽろ泣いたこと。川崎へ行く電車の中から景色をみてとてもきれいだと思ったこと。

母がいるからきれいなんだと思ったこと。それから小金井の家へうつった。とてもうれしかったこと。

前原の小学校ではたのしかった。みんなあたしのことを知らないから人気をもとうとしていつもニコニコして気げんをとっていた。

そしてこの家へ来た。もう六年になるのだろうか? はじめてこの家へ来た時たいへん光が目にしみた。

そして十三のころたくさんの仲間がいた。みんなあたしのことを呼んでくれた。

けれどいつもあたしは中心ではなかった。中心になりたかった。

でも別にどうでもよかったのかもしれない。そのころから、あたしは常にいっぱしの女の子だった。

もてると思ってたし、実際もてていたんだもの。もてていたいと思っていたし。それからせっぱつまって高校をやめた。

利益は考えなかった。世間体なんかこれっぽっちも考えなかった。とてもとても必死だった。

その前にボンドをやった。あのころはとてもたのしかった。くるしくはあってもつらくはなかった。

ヒッピーになろうと思った。必ず家に帰ってきたけど。そしてロック・フェス、Mich、まや、ウラ、ボブ、ゆうじ……。とてもいい友達だった。

去年は良くあそんだっけ。おもしろかったョ。友達なんかいたるところでできた。けど今年……。まこちゃんがいた。

あたしの大好きな人なのだ。まこちゃんはあたしの中のいたいところをきつつきみたいにつついてる。そしてあたしは今、やる気ないことこの上なし。

 本当はいつでもやる気はあるけど、やる気はあっても動かない。

けっきょくはあたし自身の問題だと思うし、あたし自身、全てに"こわれてしまった"のかもしれない。

楽しいばかりじゃすまなくなってるし。たのしいことばかりではないのだ。

あたしの居場をつくらなきゃならないし、あたしには何かをやるだけのやりとうすだけのちからも根本も何にもないときてるし、それに技術もないときてる。

あやふやでしかない。あたしにやることが、やれることがあるのだろうか?

ついにはネコにもなれなかった。めんどくさがりやで、ねむっているのが好きで時間感覚がまるでなくて、立体感がまるでない。

その場の状態しかわからない女の子がいったい何をやらかすというのだろう? 

なんにもしないでわらっているのが好きな子に何ができるというのだろう。

変なとこのプライドがたかくて、自己規定がまるでできない子にいったい何ができるんだろう。

死ぐらいしかないんじゃないか?

あたしが死んだらわらって下さい。にげちまった、すわったきりで動かないでガスせんをひねった女の子だって。

動こうともしないで、やりだそうともしないで死んじゃった子だって。

自分のこと、ひげきのヒロインに見たてて、かってに思いこんで死んじゃったばかな子だって。

本当にやりたいこともみつけずに途中で生きることにあきらめちゃった。できない生きることはできないって思いこんじゃった子だって。

生きることにあきちゃったのかな? きっとめんどーくさくなっちゃったの。

生活することに、いろんなこと考えることに、だかれることに、レコード聞くことに、Dobonに行く事に、何かすることに、動くことに。娼婦にもなれなかったし、ねこにもなれなかった。

水商売用女にもなれなかったし、デザイン学校の生徒にもなれなかった。

ただの高校生にもなれなかったし、娘にもなれなかった。

詩人にもなれなかった。絵かきにもなろうとしなかった。

全部中途半端ですぎちゃった。十七年間と何ヵ月かの生活にばかみたいにつかれちゃった。つかれちゃったと思いこんでる女の子なのです。

くしろのトウダイであるちゅうになって白一本あけて死ぬことさえできないんだもの。

ヒッピーにもイッピーにもなれなかったョ。何かを信じきることもできなかった。

何かをうたがいきることもできなかったョ。ゴメンネなんてあやまりゃしません。

おかあちゃまへ、おねがいです。

リミのTelephone Memo にのってる人たち全部にかけて(やめた)、Mich(いいだみちこ)にかけて、死んぢゃったっていって下さい。

おやじんとこかけてそういって下さい。まこちゃんとこにもかけて下さい。

みんなびっくりすると思います。Dobonには突然やめてごめんねっていって下さい。学校の友達は南原ゆきこっていいます。Memoにのってます。

おかあちゃま、なんにもできないでごめんね。ああ? ついにあやまっちゃったね。

リミがずっと前かいて封とうにもいれないでだしてない手紙、全部だして下さい。

詩のノートまこちゃんがほしいっていったらあげて下さい。誰もほしがらなかったら全部リミといっしょにもやして下さい。

のこったものももやして下さい。Beatlesのレコードはリミといっしょに全部もして下さい。Beatlesに関してのものは全てリミといっしょにもやして下さい。
 

こんなばかげたことってないョ。リミ本当いうと何となく、全たいにリミは二十歳まで生きられないと思ってたの。

自殺をしたいと思ってたのはもう半年ぐらい? 二年ぐらいまえからなの。今はじめてフミキリます。ちゃんと思ったのは、三日前なの、今から死ぬんだってしんじられないョ。どうしようか? 

ほんとは、もっともっと書くことあるのです。けどもう忘れちゃった。けど自殺未すいなんかやらかしたらどうしようか? おやすみなさい。 

7月30日 PM9:00 まこちゃんへ、おかあちゃまへ
   
PS これ、まこちゃんへあげてほしい。まこちゃんにあげたいの。自殺できなかったらこわいもんね、本当は。もしみつかったら見つからないようにやるべきだけど……。そしたらあそんだだけだっていうんだ!







最終更新日  2011年07月17日 11時55分17秒
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