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さいたまピアノ工房 オーナーのつぶやき

さいたまピアノ工房 オーナーのつぶやき

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2011.05.31
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6月6日の書き込み

高橋さん宅のご両親は、民宿「たかきん」を営んでいる。震災の影響で、毎日宿泊客で一杯らしい。
幸運にも、津波はすぐそこまで来たものの、床下浸水もせず、御親戚も皆さん無事だったそうだ。
生き残った人の役目は大きいのだろう、ご両親とも仕事で疲れているご様子だった。
高橋さんは、この日から陽子ちゃんになった。学校で同期だったし、嫁さんと同じ年だし。
とは言え、仕事は仕事。メリハリが大事。朝食後、簡単に朝礼し、兎に角鉄骨を外すとこまでは必ずやると決め、3人民宿を出た。

昨日より、多くの手伝いの人がいた。神聖な場所にも関わらず、ピアノ優先に辺りを散らかしながら作業を勧めた。皆さんさりげなく我々に気を使ってくださってくれた。

作業風景。美しい教会内。これは皆さんがきれいにした為。床から3メートル位まで海水につかったらしい。海水というよりも、泥混じりの。
解体 作業風景

先へ進むにつれて、全容が明らかになっていく、前日撮った写真もあるけど、ここでいろいろ伝えようと思う。

大屋根を外した状態。写真ではそれほどでもない。
解体前 全容

アップすると、錆が目立つ。
解体 弦の錆など

鉄骨を傷つけないように、弦を外す。
解体 脱弦作業

チューニングピン付近の錆。ピン板内部、どうなってるのかな。どうしたものか。
解体 チューニングピン周り

アクションブラケットの錆。交換かな。
解体 ブラケットの錆

ハンマー、濡れた為に木材が変化して、がたがた。ハンマーは比較的分かりやすいだけで、見た目は問題ない他の木部も、変化してることは間違いない。
解体 ハンマーシャンク

鉄骨ボルト、思いのほか簡単に外れた。相手側の木部が弱ってたためかもしれない。でも時期を遅らせたらボルトが錆で折れて、大変だったかも。
鉄骨を上げるときは、大勢の人に助けてもらった。
解体 鉄骨外し作業

解体後の響板上面 泥と砂利が水に流され、模様ができていた。
解体 響板上面

このピアノは、一度ひっくり返り、皆さんで戻したとの事。つまり、裏に汚れがたくさんあるわけで。

鉄骨の裏側。予想以上にひどかった。
解体 鉄骨裏

泥というか、砂利が付着し、取り除くとくぼみの大きい箇所は、錆がかなりあった。

解体 鉄骨裏その2

ただ、作業を進めていくと、金塗装が現れた。裏も多少塗装されてたのが不幸中の幸い。とはいえ、どうしたものかな。
鉄骨拭き作業

ピアノの裏の掃除。泥と砂利、落ち葉もあった。拭きとっても拭きとってもバケツの水は濁るばかりだった。
解体 ピアノの裏

下水道が完全に普及してない為、汚水は外の排水溝まで運び処理した。
ちなみにこの日は先日の大雨から一転、いい天気になった。でも水を捨てに行くたびに、外のなんとも言えない匂いを感じた。

お昼は近くのローソンのお弁当。釜石のローソン弁当は美味しかった。時間をわけて、一人ずつ食べた。

ボディーについてるペダル関連も取り外した。錆でネジがもげてしまった。取り除き、径10のだぼでうめきしたりもした。近くにDIYがあって助かった。
解体 ペダル機構 うめ木

それ以外はひたすら掃除。ふき取り作業。暗くなるまでにピアノをまとめればいいと覚悟を決め、ひたすら掃除してた。さらに、ダンパーを外し、機構の確認もした。

暗くなる前に、鉄骨を再び載せ、さらに外装を順番に取り付けていった。
解体夕方

アクションの不要なものは取り除きいた。当たり前だが、ゴミはすべて持ち帰る。

完全に暗くなった。教会はろうそくや、太陽電池付きの電灯(昼充電してた)の明かりにな
教会の人にあいさつを終え、現場を後にしたのは午後7時半過ぎになった。


この日の作業を終えての感想として。
この仕事、予想通り、手ごわいものとなりそう。大胆にやった方がいいだろう。
一つの考えとして、ついこの前の土曜日に伺ったSPSさんのグランドピアノの部品を採用しようかなということ。湿度の影響が少ないのが一番の魅力。木材にしみ込んだ水分や不純物からでる気体が懸念されるのだから、錆や湿度に強い部品を積極的につかうべきでは。もちろん依頼主との相談になるけど。

帰りにスーパーで、地酒の浜千鳥と、夕飯と、かもめの卵を買って帰った。途中の道でふきを取ろうと思ったけど、真っ暗で無理。陽子ちゃんにクマが出るともきいてたし。実際途中で狸に遭遇した。

8時に釜石を出て、さいたまに着いたのは2時半。ぶっ飛ばして帰った。それは1日に、神奈川県で朝から仕事があるため。今思えば、ちょっと無茶苦茶だったかも。この2日後、風邪をこじらした。








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最終更新日  2011.06.07 10:26:24
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