ハイネの森

2011/01/09(日)01:22

Balanchine/Brown/Bausch (パリオペラ座 ガルニエ)

Ballet(116)

Apollon Musag?te Apollon          Nicolas Le Riche Terpsichore    Marie-Agnes Gillot Calliope         Laurence Laffon Polymnie        Amandine Albisson O zlozony / O composite DANSEUSE     Muriel Zusperreguy DANSEURS     J?r?mie Belingard                     Alessio Carbone Sacre du printemps (Le) L'ELUE           Geraldine Wiart 初めてロージェ、いわゆるボックス席に座った。 娘の座った一番前の席からは上の写真のように舞台が見え、舞台から遠いものの遮るものがなのでいいお席。 でも2列目の私の席からは、舞台の左半分がほとんど見えない状態になってしまい、1列目と同じ89ユーロは納得できない状態。 3列目もあるので、娘からそうそうずれて座るわけにもいかず、フラストレーションのたまる席だった。 でも鍵を開けてもらってロージェに入るのはヨーロッパのオペラハウスならではの体験で、一度くらいならいいかもしれない。 しかし今後ロージェは、1列目以外はノンメルシーだ。 元々アポロンにはエルヴェ・モローがキャスティングされていた。 もうどれくらい人前では踊っていないかしら、エルヴェは・・・ 観たかったのだが、予想通り降板。 ますます幻のエトワールになってしまっている・・・ キャスト表をもらって、娘が「アポロンはニコラだって!」と言ったのと同時に、お隣のご夫妻の奥様が 「ニコラ・ル・リッシュよ!」 ご主人が「だっこ~る」と会話したのには笑えてしまった。 みんな同じことに興味があるようだ。 ニコラは吹きだしそうな笑顔でアポロンを踊ったが、こういう役で見るとやはりうまいなぁ~と。 テクニックが素晴らしいことはもちろん、人を惹きつける力が最大限に発揮されていて、魅力的な舞台だった。 自由奔放に踊れる演目の彼は無敵なのね。 「オ・コンポージット」は不思議ちゃんな作品。 舞台奥一面に輝く星空(宇宙かな?) の中、女性ダンサーが遊泳しているような振りから始まり、それで終わる。 プログラムの解説を読むことができれば、いろいろわかるのかもしれないが、オールフランス語なのでそれもできず・・・ 何が不思議って、音楽に女性の囁くような声がのっているのだが、これが何語かわかんない。 この何語かわからないというのは、何とも不気味なもので、落ち着かないのだ。 おまけに「トゥルルルルルー」という巻き舌が何か所にも入るのが、不気味さを増している。 ちょっとホラー感があった。 踊りのほうはそれほど難解ではなく、ジェレミー・ベランガールとアレッシオ・カルボネのダブル天パーズの区別が一瞬つきにくい(笑)ことが気になったくらいで、アレッシオ・カルボネの踊りの見せ方のうまさが目についた。 ピナ・バウシュの「春の祭典」、コンテ好きではないがこの作品をナマで観られたのは良かった。センセーショナル、衝撃的という表現がいいかな。 土の舞台で土にまみれながら踊るダンサーのテンションの高さは、今まで観たことがないくらいのもの。 生贄の乙女が選ばれるのを待っている男性達の傲慢さと、選ばれるかもしれない女性達の恐怖心、ついには生贄に選ばれてしまった乙女の絶望や悲哀、どれも手に取るように各々の心情がこちらに伝わってくる。 生贄の乙女は、最後には左の乳房をあらわにして踊る。 それは女性であることの象徴、また宗教的トランス状態の表現か。 最後に生贄の乙女は恐怖を乗り越えることができたのか。 「神に近づくのだから」という綺麗事の納得がこの生贄の乙女にはなく、犠牲者としての描き方が最後まで徹底していたように思えた。そう考えると、生贄の乙女は宗教的トランス状態にはなっていないことになるかしら。 それにしてもダンサーって大変だなぁと・・・ プロともなれば自分の肉体をさらけ出すのが仕事だが、綺麗なチュチュのクラシックバレエとはかけ離れたダンサーの姿に、あらためて驚かされた。 中堅エース級が「春の祭典」に投入されているようで、バスティーユの白鳥のワルツの男性陣はヘロヘロしていた。 カーテンコールはいつもより熱狂的、盛り上がっていた。 (12月23日 パリオペラ座 ガルニエ)

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