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ちっちゃなお部屋

ちっちゃなお部屋

入院準備

「入院準備」

手術が決まってから入院まではちょうど1カ月あった。
その間に、入院中の稼働可能な予定は自分で調整して、退院後不自由になる間の予定については、主人にお願いしたり、子供会の役員関係者に事情を話して理解を求めた。(子供会の役員をしていた。退院直後に行事が一つあったので・・・)

入院誓約書に、世帯を別にする保証人に記入をしてもらう欄があった。
これは、実家の父に頼むことにした。
父は、記入を終えると「これも、運命だよ。」とカカカカカと笑っていた。
さすがに自分自身胃癌で胃の大部分を切除し、自分の父や兄や姉を癌で失って、多くの人を見送って来た人間に言われると、「そうだよな~ははははは。」と笑うしかなかった。というか、「分かっているよっ。」って言うしかない。
進むしかないから。
父がこそっと言った。「お母さんが、お前が癌じゃねえかって嫌がっている、ありゃ心配症だな。」
そりゃあ、癌患者を家から一人でも出した人間としちゃあ、嫌なんだろうな。

入院が、近づいて来ると、腰椎麻酔の恐怖で腰がむずむずしてきた。
普通に座っていても、腰が抜けそうになった。

しかも、いよいよ入院となって来ると、家族のことよりも、自分のことで精一杯になって来た。

それでも、寸前まで娘は学校で困ったことが起きて、どうにかして欲しいんですけどぉ~~~と担任に対処をお願いする事態があったりして、入院に向けて感傷に浸ってばかりは、いられなかった。


それと、自分の腫瘍について、ネットで調べてみた。
いつも訴えていた自分の痛みは、「チネル徴候」だったんだって、初めてそういう言葉も知った。
「軟部腫瘍」と言う単語を知ったことで、「軟部腫瘍 神経」で検索をかけると神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)と言う腫瘍名が出てきた。
あれ~?これ私みたい!
というか、これ私でしょ!?
と思った。
ただ、気になったのは、MRIの画像が、まんまるじゃなくて、太ったナメクジがへばりついているような形の腫瘍だったことです。
(細い部分が両先端にあって、流線型でぶぶっと太っている形状でした。)

だから、医師も、開いてみないと神経の中か外かはわからないって言ったのかなあ~?と思いました。

私は、自分の腫瘍は1個だと思っていました。
そういう太ったナメクジみたいな腫瘍?なのかと思っていました。

でも、手術して初めて分かるのですが、違いました。
MRIの画像に写っていたのは1個の腫瘍ではなくて、小さな腫瘍の群像だったのです。(T△T)






平成20年7月初旬 神経内科受診

 神経内科の医師は、私のその後の整形外科での診断を知っているのかな?と思ったら、やっぱりカルテの守秘義務???全く知りませんでした。

電子カルテに、「近所の整形外科にしばらくガーゼ交換に通う。」と打ち込んでありました。
医師「どこか切りましたか?」

ちがう・・・・・
それは、術後の予定です・・・。

整形外科での診断を話した。

まず、私のしびれの原因は、神経の中か、外か分からないけど腫瘍があることがMRIで分かった。
手術を7月の後半で腰椎麻酔ですることになった。

と伝えました。

神経内科の先生はびっくりするのかな?
と思ったのですが、ちょっとリアクションが違いました。

医師「何か異物感があること、話して下さっていましたか?」
・・・・・・触るとしびれて痛いって話していたけど、これは異物感には相応しないのか・・。

医師「そこに出来物があるって、言ったことありますか?」

・・・・・・・。
答える気力がなくなった。
完全に、私の「申告漏れ」(?)を示唆する言い方だった。
そこに出来物があるなんて、思っていないですよ。
どうにかなっているけど、それが何だか分からなくてずっとこちらに通っていたんですよ。
最初、コリっとするって先生にも話したと思います。
でも、筋電図の結果で、先生は、何らかの原因で、そこの神経が細くなっているかねじれている、って所見でしたよね。
そう言われて「出来物がある」なんて、思っていませんでしたよ。
腫れているのかな?って思っていたけど。

医師「日帰りの手術かな?」
私「三泊四日です。」

医師「どんな麻酔の予定ですか?」
私「腰椎麻酔です。」

医師「腰椎麻酔は、下半身だけの麻酔ですから、手術中の様子は聞こえるし、安心して下さい。」

・・・・・私は、その腰椎麻酔に対する恐怖に今闘っているんですよ、とは、言う気になれなかった。

医師「まあ、手術して悪いところを取り除けばよくなりますから、頑張って下さい。」
あっさり言われた。

「見つけられなくて、ごめんね。」
なんて言葉は、やっぱり出ないんだな~~これって、問診の時の私の言葉不足?なのか・・・・と思った。

所詮他人なんだな~って思った。
結婚指輪をしていたから、奥さんもいると思う。
もし自分の奥さんが、こんなに遠回りをしていたら、どう思いますか?私の主人は、どんな思いをしているのでしょうか?とは、言えませんでした。

一応術後の様子も聞きたい、と言う事で、術後の抜糸の日に、神経内科の予約もまた入れることになった。


今回、薬局で、神経内科の薬をもらう。
薬剤師さん「いつものお薬ですね。その後何か変わったことはございますか?」
私「末梢神経に障害があると思っていたんですが、実は「腫瘍」があったことがわかったんです。今月手術することに決まりました。」
薬剤師「・・・・・・!?そ、う、な、んですか・・。それは、お大事に・・・。」


思わず感情が意地悪モードになってしまった。さっき言えなかった分、何か口がパクパク動いた。
あの時の薬剤師さん、本当にごめんなさい。


入院まであと2週間はあるけど、帰りに髪の毛を切った。
最近では結構短い長さで襟足いっぱいまで切った。

入院したら、髪の毛は毎日洗えないし・・・。
とても原始的な気持ちを切り替える方法だけど、今日は髪を切るんだって出かける前から決めていた。






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