トーク・トゥ・ハー
<病室のベッドに横たわる若くて美しい女性アリシア。彼女は4年前に交通事故に遭い、以来昏睡状態に陥ったまま一度も目覚めることはなかった。看護士のベニグノは4年間彼女を世話し続けるとともに、決して応えてくれることのない相手に向かって毎日語り続けていた。一方、女闘牛士のリディアもまた競技中の事故で昏睡状態に陥っている。彼女の恋人マルコは突然の事故に動転し悲嘆にくれていた。>正直観た後すごく良かったと思った訳じゃないのに、いつまでも心に残っているのは何故だろう。ストーカーかと思うほどアリシアに執着するベニグノ、献身的な介護中は幸福感さえ漂っている。しかしそれは一方的なもので、報われるものではない。劇中の、孤独感を漂わせる舞踏や、闘牛のシーン、『縮みゆく男』というサイレント映画などが印象的。「ククルクク・パロマ」の歌が明るさを感じさせてくれるのは良いな。生きていくって孤独だなと思わせる映画ではあったが、暗いだけではなく不思議な魅力のある映画だ。