一夜干美人の部屋

去年の秋、母が亡くなり、実家へ帰った折、庭にとてもかわいい白い花が咲いていた。
なんとも言えん愛らしくて、はかなげですっかりその花が気に入ってしまった。
家に帰ってからも、その花が頭から離れない。後で姉に聞いたら秋明菊だと知った。
　近くのホームセンターなどで探してみたけど見つからず、あきらめていた。
それが、九月になってまもなく、トキで有名な新穂のホームセンターで見つけた。
鉢の下からは根が出て、葉も少し枯れていて、元気がないように思ったが、ともかく欲しくてたまらず、
ピンクと白のうち、白いほうを買った。
　家に帰りさっそく鉢から出すと、案の定、かなり根詰まり状態で、思いっきり根がからみあっていた。
　
　私はそれを少しほぐしたが、ほぐしだしたら、とことんほぐさないと気がすまなくなつた。
しかも、丁寧に水洗いまでして古い土をすっかりきれいに落として、株分けまでして、
玄関やら、コンテナ、二つの鉢に植えて、
（サアきれいに咲いてね…）そうつぶやいて。

ところが良かれと思ってしたこれらのことは、ことごとくいけなかったようだ。
朝に、昼に、夕に、いそいそとベランダ通い。3日もしないうちに枯れ始めた。
今はかろうじて鉢に植えたものが二株がんばっている。
また、新しいのを買うのは簡単。でも買えばまだがんばっているのが哀れで…
がんばっている秋明菊を見るたび
（申し訳ない）とつぶやいているm(__)m

時々あるのね。こんな風にせっかくの花木を危うくすることが。今まで散々懲りてるはずなのに。
その度に、
世話の焼きすぎ、かわいがり過ぎ、手入れのし過ぎ…またやったのか、困ったもんだノウ…
社長や娘からいつも言われてきたことなのに…
しかも半分笑い顔で。

これはもう私のビョーキだわ。早く手を打たねば．．．