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らんうぇい104

らんうぇい104

「語られない戦争」

語られない戦争

2014年12月31日、私はこの日家族との年明けを諦めてひたすら資料をあさっていた。
私はここオーシア首都オーレッドの新聞社Discoveryで働いていた。
毎日毎日、この地球の南にある小さな大陸の記事ばかり書かされていた。
今から10年前に起きた大陸戦争・・・この時私はまだ高校生であった。
それよりずっと前に起きた軍事テロリストの反乱・・・たぶん小さい時だろう
この大陸の戦争を全て統一すべく、古くから我が新聞社が発行し、軍事マニアには良く売れる「ウェポンズ・アクション」シリーズの次回特集にこの大陸の過去が選ばれた。

10年前、大陸戦争が終了した当時は各新聞社から雑誌が毎週のように出ていた。
我が新聞社も、「ウェポンズ・アクション」と言う雑誌を作って他の新聞社に抵抗していた。
「今頃販売したって極一部のマニアやオタクが買うだけ」と誰もが考えていた時期だ。
ところが軍事マニアはプラモデルやサバイバルゲームに特に興味を示していて、こう言う過去の戦争を特集する記事は良く売れるのだと言う。なるほど。
わかり易いマニアやオタクと言うのは標的にし易い。

いつもなら、こんな事をじっくり考えながら仕事をしているのだが、今度の仕事ではとにかく膨大な数の資料があった。
ただ膨大な数があったのは大陸戦争だけで、それより前の軍事テロリスト反乱の記事なんてほとんどなかった。本社にあったのは5枚程度の写真で、戦闘中に撮ったのかなんなのかわからないがブレた写真ばかりであった。気が滅入る。

私は外に出て一服する事にした。
大都市オーレッド。外に出てもあまり落ち着く事は出来ないが、プリンターとパソコンの音が響く部屋よりはマシであった。
愛用のタバコ「ラッキースター」に火をつける。うまい。ベンチに座った。素材が木の物に腰掛けたのなんて何年ぶりだろうか・・・

腰掛けてすぐ、少し年のいった感じの中年男性が寄って来た。手に何かを持っている。

「おい兄ちゃん 写真落としていったよ」

その男性が持っていたのは軍事テロリスト反乱の際に撮られたブレた写真だった。

「すいません ありがとうございます」

軽くお辞儀をした。突然その年のいった中年男性に止められた。
彼は写真を見せろと訴えている。

「兄ちゃん・・・君、新聞社の人なのかい?」

何なんだろう。
不思議な人だった・・・こう言う変な人を特集すれば、好奇心旺盛な人間達を引き寄せられて良いような気がした。
が、次の言葉でその考えは吹っ飛んだ。

「・・・君に協力出来るかも知れないよ 隣いいかな?」

そう言うと年のいった中年男性は、私の座っている隣に座った。
当時の人間に協力されるのはありがたい。仕事も楽だし、リアルなのが作れるだろう。
それぐらいにしか考えてなかった。

「どの戦争の特集を組んでいるんだい?」

早速主題が出た。
こんな近い所に特ダネがあったとは。

「実は今、ユージア大陸で起こった大陸戦争と、ずっと昔の反政府派決起の事について我が新聞社で特集を組んでいるんです」

そう言うと、中年男性は厳しい顔をして空を眺めた。一瞬悲しい顔にも見えた。
しばらくの沈黙の後、彼は急に口を開いた。

「・・・戦争は二つだけじゃない。もう一つ、こっちの大陸には伝えられてない戦争があるんだ。家に来なさい。何枚か写真を提供してあげよう。」

と彼が言うと、半ば強制的に彼の家まで連れていかれた。易々と車に乗った。
車中で彼はこんな事を話していた。

「この伝えられなかった戦争は、今後も一生語られないだろう。それではダメなんだ。大きく特集してくれよ。」

是非是非と言わんばかりの笑顔を見せつけ、徹底的に聞き出して、大スクープとして載せてやろうと決心した。
彼の家はオーレッド近郊にある緑に囲まれた場所にあった。

「さぁ着いたよ ここが私の家だ」

大きい家とは言えなかったが、なんだかやわらかさと暖かさを感じる家であった。
家の中に入ると、たくさんの勲章が置いてあった。こりゃ誰だって気になるだろう。
そのぐらいの数の勲章である。

「この勲章・・・一体なんなんです?」
と訪ねたが、
「気にしないでくれ 過去の栄光だよ」
と返された。

彼が奥からカバンを持ってきた。何が入ってるのだろうか?

「この中身を見せる前に、私がこれから話したい事を言おう。」

なんだか重い空気になってきたのは感じ取っていた。

「ずっと昔に起きた軍事テロリストによる反乱。彼等はのちの戦いで傭兵部隊「スカーフェイス」に敗北した。これは伝えられてる情報だよね?」

この戦争は有名だ。大陸戦争が始まるずっと前、ユージア大陸は軍事政権によって支配された国家が多かった。
たがいの意見の食い違いはまるで今のマフィアファミリーのようであった。
ついには民衆同士でも意見の食い違いでデモが起こり、血で血を洗う毎日だった。
そんな中、ある国の要人達が国外へ出国中に、反政府派の軍人達が決起した。
残った政府軍の抵抗も空しく、重要な施設や街はみるみる内に占領され、反政府部隊の目標達成は目前まで迫っていた。
その頃、統合軍が兼ねてから危機状況に対応すべく組織してきた傭兵部隊「スカーフェイス」の出撃を決定。
クーデター軍空軍との激しい戦闘を繰り広げ、敵司令部、弾道ミサイル、大型原子力潜水艦を破壊。テロリスト軍は壊滅すると言う歴史の一つの汚点である。

「今なら軍事マニアか歳が上の方の人しか知りませんね」

既に20年近い時が流れている。
知ってる人間は当然少なく、また作戦はほとんど秘密であった為に資料も少なかった。
が、次に彼が言った言葉に、私は耳を疑った。

「・・・それ以前にも・・・あったんだよ 長く厳しい戦争が・・・」

戦争はいつの時代も起きている。このオーシア大陸でも、きっとどこかで戦争を起こそうと企ててる奴がいるだろう。
だがユージア大陸は違った。平和で豊かな自然に囲まれた美しい島だった。良く考えればどうしてこのような素晴らしい大陸があのような軍事政権の国だらけの大陸になってしまったのだろうか?

「一体なんの話なんです?何があったんですか?」

彼は話し始めた。

「さっきの有名な軍事テロリスト反乱の数年前の話さ・・・この大陸はまだ素晴らしかった・・・・」

彼が取り出した写真には、まるで不死鳥のような塗装がなされた戦闘機・・・たぶんF-4Eだろう。それがたくさん映っていた。
制空迷彩やジャングル向けのカムフラージュ迷彩が施されたF-4Eの写真はたくさん見た事がある。だがこんな塗装は見た事がない。
おまけにF-4は、20年近く前の当時でさえ旧式化した戦闘機であった。

「一体これは・・・」

私が訪ねると、彼は落ち着いてと言うような表情をした。

「当時この大陸は平和だった。それこそ軍事テロリストや軍人の決起など考えられるもんじゃなかった。最初に動きがあったのはずっと昔の春の事だよ。」

この春、ベルーサ大陸で戦争があった。ベルカ公国と小国の戦争だ。この当時ベルカは強大な軍事力を手の内にしていたが、その戦いぶりは見るも無惨であった。
彼の国の大統領はベルカに協力し、彼等の同盟に入る事を望んだ。だが民衆はそれを認めようとはしなかった。これまでの平和を壊す事になってしまうからである。
大統領は認めなかった。そうこうしている内に支持率の低迷が始まり、戦争が集結した。
大統領は大統領選で落選。大統領の怒りは最高潮に達した。民衆に大統領支持派はほとんどいなかったが、軍のほとんどが大統領の意見に同意していた。

調度その時、混乱に乗じて内戦を勃発させようとするテロリスト軍団が、大統領をそそのかした。
デモを行う民衆が弾圧され始め、突然陸軍の戦力が増強された。

「ある朝だよ。訓練から帰って来て待機室のテレビをつけた時だ。迷彩服を着た大統領がテレビで演説をしていたんだ。大統領の横にいた軍人は、当時の国防長官であった人物の頭に銃を向けていた。そして大統領はこう言ったよ (今からこの反逆者の頭をぶち抜いてごらんにみせよう) その言葉のあと画面がブラックアウトして銃声と叫び声が聞こえたさ これが決起の始まりだ。単純なもんだろう? 私がこれから君に話すのは、ただの意見の食い違いで起きたくだらない戦争なんだ」

彼はその場で頭を押さえられ、大統領支持派に捕まえられたと言う。
きっと、トラックで収容所連れて行かれ、ライフルで体を血だらけにされる。運命は決まっていた。
だが彼は諦めなかった。仲間を引き連れてトラックから逃げ出した。
激しい追撃があった。装甲車に追われ、険しいジャングルの中を突撃銃を持った兵隊に追いまわされた。
そこでついたのが飛行場であった。敵か味方かわからなかったが、やけに鮮やかな塗装の機体がたくさん並んでいたと言う。その時撮ったのが1枚目の写真だった。

「これはなんなんです?まるで戦闘機とは思えませんが・・・」

「はっは 君もそう思うかね。私も最初はそう思ったよ」

必死で逃げてきた彼がつくと、飛行場では出撃の準備をしていた。
格納庫の裏から侵入し、機体を奪って逃げようとした。だが、整備兵に見つかった。

「ちょっと待て!おい逃げるな!」

行き止まりにきてしまった。彼はもう終わりだと思ったらしい。
整備兵はホルスターから銃を抜こうとしたが、その動きを止めて所属と国籍を聞いてきた。
素直に答えると、彼は司令室へ連れていかれたと言う。

「司令室に入れられると、我が軍のお偉いさんが一つの机に集まっていたよ。そこで始めて状況を聞いたんだ。」

彼があの時聞いた放送は、大統領を先頭に、混乱を望んだ反政府軍の放送だった。突然の強襲から生き延びた残存政府軍、そして各地を渡り歩いていた傭兵よりベテランパイロットを結集。傭兵部隊として抵抗勢力を組織していた。

「その時、私は部隊に入らないかと契約書を渡された。私はサインしたよ。国を守る為に軍隊に入ったんだから。だが仲間はサインしなかった。」

契約書にサインすると、彼は木で出来た家に連れていかれた。サインしなかった仲間は違う場所へ連れていかれたらしい。その後はわからないそうだ。
外から見ると、普通の住宅だったらしいが中に入ると、当時最先端の技術が結集されたブリーフィングルームであったらしい。
中にはユークトバニア人やオーシア人、ウェロー人などがいた。全員傭兵のようで、誰一人として喋らず、作戦指令を待っていた。
まんざら皆軍人とは思えない服装だった。真っ黒い服に真っ黒い帽子を被った身長のデカイ男。まるでモデル雑誌に出てくるような服を着た若い女性。我が目を疑った。
でも良く考えればここは傭兵が集まっている所である。今の国の状況には関係無いような理由ばかりであろう。金を稼ぎたい奴。ただ無性に戦いたい奴。だから別に先程の男女のような奴がいてもおかしくないのかもしれない。
彼はデカイ男に話をかけたらしい。

「あんた・・・仕事は何してんだ?」
と聞くと
「・・・先月まで・・・ベルカ軍機を落としていた・・・稼ぎ所がなくなった・・・」
やはり変な奴だ。だが・・・どうやらここの来ている奴等はそう言う奴だらけらしい

そう考えてるうちに指揮官らしき人物がきた。傭兵部隊ではなく軍のお偉いさんだろう。

「君達に集まってもらったのは他でもない。諸君も知っている通り、大統領率いる支持派が軍事クーデターを勃発させた。72時間前に戦闘が始まったがこの3日の間で重要施設や街が恐ろしい勢いで占領されていった。そこで我が軍は君達エースパイロットに集まってもらった。君達の中には先日までベルカで戦っていた者もいるだろう。その力をここでも発揮してもらいたい。我が国の解放まで戦えとは言わん。だが全ての事は君達にかかっている。早速本日より配備についてくれ。もう一度言うが全ては君達にかかっている。健闘を祈る」

指揮官らしき男がゆっくり去っていくと、待機していた男や女はGスーツに着替え出した。
「この間のベルカ空軍・・・めちゃくちゃ弱かったぜ」
「私はベルカ側で戦ったわよ?あなた方こそまるで七面鳥だわよ 七・面・鳥」

まるでオーレッドのオタクな店で見た傭兵のマンガみたいだ。
今まで正面戦闘の記事ばかり作ってきた私には、なんだか信じられない話だが、これはこれでなかなか面白い話であると感じできた。

「信じがたい会話だった。書類にはサインしたが、俺は軍所属だったから先の動きは上が作り上げてくれているのが普通だ。だがあそこは違った。任務があると連絡が来て、それを見て各自で行動する。最初の日は・・・皆が先に任務を選んじゃってね。一番報酬の少ない、補給部隊を追撃する事だったよ。確かぁ・・・C-5輸送機とE-767空中管制機それに・・・あと護衛にMig-31とF-4がいたなぁ。」

何故ここまで覚えているのか・・・相当印象に残っていたのだろうか。
彼はその後も話し続けた。だんだん彼はエスカレートして、最もきつかった空中戦を手で表現したり、楽しかった事などを話していた。
その話が終わり、彼は額の汗を拭いて落ち着いた。

「ふぅ・・・すまんね あまりに懐かしくてね。それに・・・この事は今まで話せなかった・・」

彼の話が長くなった。しばらく二人で上等なエルジア製ワインを飲みながら、しばらく黙っていた。その内、彼が両手でグラスを掴み、話を続けた。

「・・・だがな・・・辛い事もあった・・・これはね 夜襲をかけた作戦の時の話だった・・」

1995年の秋、抵抗部隊は春から発見していた敵の前線司令部の攻撃を決定。
司令部は占領された街のセンタービルを使用しており、政府軍のワイルドウィーズル部隊が攻撃にあたったが猛烈な対空攻撃と敵戦闘機によって壊滅。
その後数個の提案の中から特殊編成された傭兵部隊、つまり彼がいた部隊が選ばれたのである。
傭兵部隊は、戦闘開始から4日で約80機の戦闘機を撃墜していた。軍上層部にとって、彼等エースパイロットは最後の切り札であった。

「私は知らぬ間に、部隊の中で撃墜数1位を誇っていた。自分でも信じられなかったね。その事をうけて、軍上層部から僚機を1機つけていいと言う許可を得た。個性的なパイロットばかりでねぇ。オーシア人の資産家やユークトバニア人の宣教師なんかもいた。変な奴等だったが腕は一流だった・・・だがな・・・今思えば・・・」

彼は少し詰まった。
私も記者だから、その先をしつこく聞こうとしたが、何故か聞く気になれなかった。
その内、彼は自然に喋りだした。

「部下をつけてしまえば・・・失った時に悲しみを味わうと言うリスクがある事が・・・当時の俺の頭にはなかったんだよ・・・」

戦争だった。
つまり、戦争は人間の全てだった。
彼は一回スティックを握る度、僚機の重みを感じながら飛んでいた。
彼の中には数十年前の重い・・・とてもとても重い歴史がつまっている。誰にも語られる事のない、他人にとっては重みも記憶もない「語られない戦争」が。

そして、これから語られる話で・・・私は耳を疑った。

「その日の夜、私はオーシア人の資産家を僚機につけて夜襲を敢行した。たった2機でさ。早い物勝ちで、最初にキツい任務を選んで報酬を得ていた他の奴等は、みんな簡単な任務を選びやがる・・・あいつらには命の重みはわからねぇ・・・」

彼は酒をやめると、一旦話をやめて私にタバコを要求した。スゥっと息を吹き、遠くを見ながら何かを思い出していた。

「・・そう・・ビルが見えて・・2発ほどミサイルを撃ち込んだ。ビルは簡単に破壊されたが・・・見慣れない戦闘機が飛んできたんだよ・・・なんていったっけなぁ・・・たぶん今のオーシア空軍の主力戦闘機だったと思うが・・・」

私は、彼のアルバムに載っていたF-15Cの写真を指さした。

「こいつでは?」

「そうだそうだ こいつが2機も飛んできたんだよ・・・(散開しろ)と命令した・・・だがな・・・散開はいけなかったんだ・・・」

「何故ですか?」

「当時の最新鋭戦闘機さ・・・こっちは生き残った航空基地から引っ張ってきた旧式戦闘機だ。旋回なんてしたらすぐに後ろにつかれるんだよ・・・私は・・・あの時左に旋回した・・・F-4に乗っててな・・・敵もその区域で腕の良いパイロットにF-15を操縦させたらしい・・・急旋回を続けてる時にな、無線から聞こえたんだよ・・・」

(隊長!!コクピットに被弾!腕が!!腕がぁぁ!!)

「敵のF-15は奴を簡単に撃ち落した・・・あちこちから撃たれて彼はコクピットに被弾してしまったんだ。その時彼は腕を失った・・・操縦出来なくなったんだ」

「・・・その後は?」

「私も必死に逃げた。逃げながら彼の方を見ると、ロールしながら山へ突っ込んでいくのが見えたよ。地上軍が後で調べたら・・・ 絵本の欠片が出てきたんだ・・・何て言う名前だっけな・・・確か・・・姫君の・・・忘れてしまったが、その本の破れた欠片がね 後ろに「ごめんねケイ」と書かれていた気がするよ」

驚いた。4年前の環太平洋戦争でラーズグリーズの女性パイロットが愛読していたと言う絵本、「姫君の青い鳩」の事を言っているではないか。その本は破れていたと、行方不明になりながらも、ラーズグリーズを取材し続けた取材仲間が、私だけに話してくれていた。もしかして・・・これは・・・

「お聞きしたい事があるんです。その・・亡くなった男性に家族はいましたか?」

「あぁぁ・・奴自身からは話してなかったが奴がロッカーに飾ってあった写真なら覚えているよ。確か奴と小さい女の子が1人・・「姫君の青い鳩」を持っていたよ」

「その破れた部分の話はしていませんでしたか?」

「急にどうしたんだい? はっは 職業病かな? 確か・・・あぁぁ話していたよ その女の子と喧嘩した時、女の子が・・・どうかして破ってしまったんだとか・・・」

「その破片は今どこに?」

「私のデスクに飾ってあるよ 記念として・・・」

「今すぐ見せて下さい!」

「な、なんだい はっはっは せっかちなんだな報道屋さんは ちょっと待ってなさい」

不思議な感覚にとらわれていた。私はその時、大統領が2020年に情報を公開する事しか頭になかった。カンだ。あくまでカンだが、もし2020年まで待つ事が出来れば、破片を彼女に渡せるかもしれない。見ず知らずの人間だが、物を目の前にするとその考えが強くなった。

「これだよ。これが彼の機体のそばに・・・フライトスーツだけになった彼のそばに散らばっていた。」

その破片には「姫君の青い鳩」の後半部分が描かれていた。恐らく鳩が木の実をもらった後ぐらいだろうか・・・裏に何か書いてあるのがすけて見えるがなんと書いてあるかはよくわからない。

「あと・・・5年待てば・・・ケイさんにこれを渡せるかもしれません・・・」

一瞬彼はわからない顔をしたが、すぐに笑って返してきた。

「そうだな・・・あと5年待てば・・・返せるだろうな・・・ケイに・・・」

「その時は、あなたも一緒に来て下さいね」

「あぁわかってる そうだな・・・あぁ・・・」

1時28分・・・知らぬ間に年を越していた。2015年・・・この「語られない戦争」からおよそ20年近く。この語られないような小さくとも大きな戦争は・・・こうして小さな家庭の物語にも干渉し、大きな影響を与えていた・・・もし、この彼が語った、私の中ではたくさん連ねられた言葉でしかない戦争が事実ならば、これは誰かが語り継がなくてはいけない・・・私はそう思う。



・あとがき
調子に乗ってまた載せました
以前X49HASAMAさんの小説投稿BBSに投稿したものです
あまりにおかしかったので、ちゃんと修正してここに載せました^^;
すっごい見ずらいと思いますが、ガマンして下さい
「うぁぁぁ! 見てらんねぇ」と思ったら文句付けて最後まで飛ばしてみちゃってもいいです^^;

ちなみにこれ、ACEシリーズを制覇していないと理解に苦しむ作品ですので・・・


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