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いっせいピョン

”はは”の気持ち 4月

この手紙は幼稚園のお母様方に読んでもらおうと作成しましたが。 数人の方に読んでもらっただけの手紙です



”はは”の気持ち4月 2

一生の、できたらいいな!
一生がお子様ランチを食べること。
ピカピカの1年生を○○小学校で見られること。

生後1ヶ月半の時、いくつもの試練を乗り越えてきました。
命と引きかえに口から物を食べることを失いました。声を失いました。スウスウ寝息をたてて眠ることができなくなりました。
生まれて少しの間だけ一生にお乳を飲ましてあげたこと、「おぎゃー」と大きな声で泣いていたのに、一生は当初の病名より多くの困難をかかえてしまいました。
総合病院の例外をことごとく塗り替え、一生を苦しめることばかりおこりました。でも一生は大きくなりました。
そして呼吸器で潰れてしまった声帯が機能してきました。
誤嚥が有るけど、口から物が食べられるようになりました。
今も気管に食べ物が入りながら食事をしていても誤嚥の程度が軽くなり、むせなくなりました。
総合病院で全ての医師たちが目を細めています。でも首を傾げます。不可能が可能に近づいているからです。
元気な一生をそっと見ていてください。お願いします。

平成17年2月14日やっと一生が幼稚園に行くことが決まりました。
一生に生きてほしいと願った日々がありました。
親子3人一緒に暮らしたいと願った日がありました。
一生は、発達も発育も期待できないと言われたことや、口から物は食べることが出来ないと言われ、絶望の日がありました。
でも一生は大きくなりました。やっと喜びの光が見えてきたと思うと、今まで流した涙と違う涙がとめどなく頬をつたいました。
一生にとっては、新たな試練です。そして私にとっても新しい経験です。不安はいっぱい有るけど、がんばらなくてはと思いました。
入園式当日、家を出て幼稚園までの道のりは親子3人微笑みでいっぱいでした。でも入園式が始まってからは冷や汗が止まりませんでした。
この日の夜、一生を寝かしつけてから二人で話し合いをしました。
一生は大丈夫かな? 集団生活をするには、まだ早いのでは?ここにきて迷ってしまいます。でもとりあえず、1週間幼稚園に送って行こう。それからまた考えよう。私たちが悩んでいることが、一生に伝わることの方がよくないことだから。
そして幼稚園通園の日々が始まりました。
朝、一生が幼稚園に落ち着くのを確かめてから急いで家に帰ります。
一生は気管の近くに痰の溜まる場所があります。その痰はチューインガムのように硬いので、定期的に吸引しなくてはなりません。放っておくと、息ができなくなります。だから吸引器を持ち出せるように用意します。そして、幼稚園からの電話がないように願います。
お迎えの時間より早く家を出ていました。そして、そっと一生の姿を追っていました。隣の○○ちゃんの帽子を触ってちょっかいを出していました。一生はまだ自分の気持ちが伝えられなくて、困った行動ばかりしそうです。
一生は幼稚園が楽しくてしょうがないようです。
家に帰ったらすぐに一生はコンビラックに座ります。そして吸引をします。いつものことだけど、一生が吸引のことを理解してくれていることは助かります。
服をいっぱい泥だらけにして帰ってきます。足や手にたくさんの傷もできていました。元気すぎて転んだのかな?
幼稚園通園1週間どうにか続きました。
一生が自宅内で「あい」(はい)と言う回数が増えました。元気パワーの声はスゴイデス。
このまま幼稚園に通園できるかな?先生は大変だけどもう少しがんばってもらいたいです。
先生が一生のこと園児さん達に話をしていいですか?と問いかけられる。
どんな表現かわからないがいいですと答える。
身体測定があったからかもしれない。無数の傷は、みんなにはないからかな?
4月19日総合病院通院日。耳鼻咽喉科受診 聴力検査の結果「お母さん、聞こえているね。」今までの検査よりいい数値です。一生が集中できるようになったからかも、今までの心配は何だったのかな。骨伝導の補聴器まで試したのに。
循環器科受診、「先生、幼稚園に休まず通園しています」「よかったね。」 4月21日療育園受診。「お母さん、すごいね!」一生が変わってきたのが、伝わります。
4月22日総合病院通院日。言語聴覚療法受診。
たかが10日されど10日間です。驚きの速さで一生が変わっていきます。
マカトン(サイン)は少し保留です。一生にかかわっている先生たちはニコニコです。看護師さんも喜んでくれています。一生ガンバ!
4月26日今日は朝から一生と一緒に幼稚園で過ごします。
一生が鞄を置いて、教室を走り回ります。誰かと触れて遊ぶことはありません。
少し時間が経つと、何人かのお子さんが、私の周りに来て「どうして?」「なんで?」の質問がありました。
「どうして一生君に傷があるの?」どんな風に説明しよう、考えていなかったことです。あいまいな答えはよくないし、専門的に話す事もできなくて少し戸惑いました。
「一生はみんなの胸の中にある心臓が病気になってしんどくなって、お医者さんにいっぱい手術してもらって治してもらったの。だから今みんなと一緒に遊べるの」「フウン」わかってもらえたかな?
「一生君の耳聞こえない?」
「聞こえているよ!一生は赤ちゃんの時ずっと病院にいたからおしゃべりがじょうずじゃないからみんなで教えてあげてね」私が障害児用の手話を使っているからみたい。
「一生君、目が見えない?」
「見えるよ。でも少しだけみんなの顔が小さく見えるから、眼鏡をかけて、みんなの顔が大きく見えるようにしているの」
一生のこと説明するのは大変です。もっと言葉を選んで説明しなくては、と思いました。
運動場で遊んでいるときおもちゃの取り合いがありました。先生が「大きいさん、貸してあげて」の声に、しぶしぶおもちゃを放す大きいさん、えらいね。私は心の中で「ありがとう」と言っていました。一生の口からは、いつ「ありがとう」が聞けるのかな。
みんなで園周辺の散歩が始まります。みんな行儀よく並んでいるのに、一生はグニャグニャ、一生の手を握る私の手は強くなるし、汗でびしょびしょです。先生のお話も聞けなくて大変です。
散歩開始です。みんな手をつないで歩きます。「危ない」大きいさんが小さいさんの手を急に引っ張ってこけてしまいました。先生が優しく大きいさんだから小さいさんよく見てあげなさい。
今まで手を引いてもらっていたけど、今度は手を引いてあげる? 少し大きいさんになったような顔にみえました。
いい顔が見られてうれしくなります。
散歩はまだまだ始まったばかりです。
路に出ている木の葉っぱで足が止まります。興味がいっぱいです。
先生の言葉で歩きます。
路を渡るときは、「右、左、右、」先生が一人一人に声をかけます。
一生は、「あっち、こっち、あっち、」「だー、だー、だー、」とりあえず出来たかな。
車が駐車しているときは、忍者歩き?小さいさんたちは大きいさんたちに引っ張られています。ニコニコする光景です。
幼稚園について一生と帰る用意です。みんなはお弁当を食べる用意です。
「さようなら」一生の口元を触ると「バイバイ」と小さな声が聞こえました。もっと大きな声が出るといいね。
4月28日保育参観。先生に「お母さん、今日は黙って見ていてください」 と言われました。
相変わらず、一生は単独行動です。
「一生、やめなさい」と声を出したくなりました。一生が土を友達に投げているのです。あっ○○チャンの目に土が入った、あー大変だ、大丈夫かな?一生には「ダメ」と言う。
一生にダメの基準をどうやって教えよう。病院生活のダメとは違うことが、解かるのかな、
先生に「お母さん、そんな怖い顔で一生君見ていたらダメですよ」と言われる。でも痛みを誰よりもわかっているはずの一生が誰かを傷つけているのを見るのは、私の心が痛みます。
教室でのお話。一生は椅子にじっと座っていられなくて、一生の手を握り締めて、止めておくのがやっとです。
一生のことみんなのお母さんたちに話そうか迷っている間に、保育参観が終わっていました。もう少し話の内容を考えよう、もし聞かれたら話せばいいかな? とりあえず帰って一生に吸引しよう。
幼稚園生活1ヶ月、一生が友達に「バイバイ」小さい声で言えるようになりました。
幼稚園であったこと手や体を使って教えてくれます。
ピアノを弾くまねをして歌う(解らない語)
友達の手を持つしぐさをして、肩を衝かれて倒れます。そして声を上げて笑います。それは楽しそうに、一生が楽しくても友達は急に手をもたれると困ることなの、一生が楽しくても叩くと友達はいたいの、一生わかる? 痛みに強い一生が友達に同じことをしたらきっと友達は傷つくよ。問題です。教えなくては。
一生には食べるという本能はありません。生まれて3ヶ月以上、口からミルクを飲んだ赤ちゃんが、何年も口から物を食べずに大きくなって、食べることを始めると食べる本能があるので食べることが出来るそうです。でも一生が口からミルクを飲んだ期間は生まれてから1ヶ月半です。舌をうまく動かすことを忘れています。顎をうまく動かすことを忘れています。一生が口から食べることはとても難しいことなのです。そして物を食べる口の動きと、発音する口の動きは同じだそうです。だから一生の発音できる音はみんなよりとても少ないです。
一生の口の動きは、みんなが離乳食から普通食を食べ始めた時いろんな発音が口から出始めたときぐらいです。だからまだ言葉の卵が出来かけているところです。一生の意思表示は目で合図をしたり、人に触れることをしたりします。でも幼稚園では一生の意思表示は通用しません。私はこの状態を少し見ていたいと思います。みんなが言葉で意思を伝えることを見て一生が変わるのを見たいと思います。一生の中で葛藤が起こり、声が出ることに期待しています。今まで周りが優しく気づいてくれていたけれど、一生にはどうしていいかわからない幼稚園での時間を観察します。とりあえず、一生の幼稚園生活は午前中だけです。


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