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今日で三回目の入浴となる
リウマチで全身痛い男性利用者 身体的に・作業的に難しい利用者で、 いいままで行ったことのある担当責任者のお兄さん・ヘルパーのお姉さんが今日も伺うことになっていた 看護師である私は初めて。 カルテにはしっかりと前回行ったナース『Mさん行く』と書かれていたのに・・・ 初回、二回目と行った担当お兄さんから諸事情を聞く 「とても体格の良い方。(実際見た感じ、相当な体重が・・・) とにかくとても痛がって、 下肢(足)で触れられるところはかかとしかない。 足には数箇所褥創(床ずれ)がある 体は痛がってほとんど洗えない」 いつもどんな家もうまく対処してくるお兄さんの言葉だ。 そのお兄さんから難しいと聞いただけで大変さがわかる利用者である ----------- 「こんにちわ~」 お寺の手前にある住居の玄関を入る 現在の住職の息子さんに案内され、 長い廊下をいった奥の部屋に向かう 利用者はその体つきには小さく見える介護ベットに寝ていた 「こんにちわ~ 初めまして、私看護師のTと申します 宜しくお願いいたします 今日の体調はどうですか? 体全身が痛いんですよね?」 『初めてでも自分の事をよく知っているんだ・・・』と思っていただくための言葉がけをする。 私のよく使う手である 全身が痛い 寝たきりで、歩けない方の入浴は普通、 二人で抱えるように抱っこした形で浴槽まで運んでいく しかし、痛みで足は持てない・触れない。 それに体格もよく、抱えることも難しい 普通抱えが難しいため、 『タンカシート移動』と呼んでいる移動の仕方をその方は初回から行っている ベットの上で体の下にシートを引き、 シートの端を持って浴槽のシートの上まで運ぶのだ 足にシートの端でも触ろうものなら痛がる タンカシート移動も細心に注意する。 無事に浴槽までシートで運んだところで終わったわけではない 体はほとんど痛がりこすれない 手足、垢が凄いが 「あまりこすらないで良いよ」 と断られる 顔だけは 「もっと強く洗って!」 と希望あり。 「ごめんなさい。 手の垢が凄くて皮膚病になってしまう可能性もあるのでソフトに少しこすってもいいですか?」 「(じゃあ、少しだけなら・・・)いいよ~」 腫れ物にさわるようにそっとそっと垢をこする 『痛いことをされるのではないか』 『まだお風呂に安心できない』 利用者はそんな気持ちなのだろう お風呂に浸かっている利用者の顔には緊張の色 訪問中、その利用者は「もう病院には絶対いかない!」と強くおっしゃっていた。 「難病患者なんかもう治らないんだからって思っているんだろう。 扱いがひどい 看護婦によって本当にひどいんだ もう病院には二度といきたくないんだ!」 病院ではやらなければならない検査や処置など沢山ある ましてやこれだけの数の褥創のあるかた 痛い事を承知でやらなければならないこともあったのだろう その利用者は在宅での介護を希望されている ------------------------ 無事にお風呂が終わる 利用者の安堵の色 「大変だろう、こんな難病患者。 またよろしく」 痛い思いしながらも、入浴を拒否されていない言葉はとても嬉しい 「こちらこそ! (頑張って少しでも安楽な入浴が出来るよう試行錯誤しながら頑張ります。 望まれている、在宅介護が少しでも長く出来ますように・・・)」 ---------------- 帰り際にスタッフのお兄さんに言われた 「カルテの『Mナース行く』のとなりに『Tナース』も付け加えておくね~(笑)」 「え~、そうしたらわたしもっと休めなくなっちゃうじゃ~ん!」 スタッフみんな笑う ・・・今朝も土曜の利用者で『Tナース行く』の家が増えたという話を聴いたばかりなんだよなぁ~・・・ 笑い事じゃないぞ~(苦笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年05月07日 18時44分08秒
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