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カテゴリ:訪問入浴
Fさん、女性。
60歳くらいだと、うちの利用者としてはとても若い方だ。 糖尿病を患っている 腰痛もひどく、歩くこともあまり出来ない 自宅の深い浴槽には入ることが出来ないために、 訪問入浴を利用され始めた。 ご主人に早くに先立たれ、 実の弟さんと暮らしていたが昨年他界。 一人暮らしとなってしまう。 体が不自由で買い物にもいけないため、 週に三回ホームヘルパーを利用している 昨年初めまでは他の入浴会社を利用していた その会社が入浴事業を撤退したため 我入浴会社に依頼が来た。 ---------------------------------- 「弟が亡くなってから一人だから、 (入浴のとき)おしゃべりするのが楽しみなの・・・」 そうFさん。 私たちはその言葉を聞いて皆スタッフは、 週に一回の入浴のときだけでも楽しくお話をして笑ってもらおうと思った 私は伺うことが多かった。 しかし、数回他のコースに行き伺わなかったとき、 ケアマネージャー(介護支援専門員)からのクレーム。 「おしゃべりが嫌。静かに入浴させて欲しいとFさんが言っている」 ・・・・。 『あれっ・・・?』 私が伺っていたときはいつも笑い声をあげてとても楽しそうに会話していた。 『おしゃべりが楽しみ・・・』そういっていたのは何だったのだろう? 何かの勘違い? その後時々伺ったが、 いつもと様子は変わらない いつものように明るい笑顔 楽しそうなおしゃべり 『元気がでる・・・』 そういう利用者Fさん。 ・・・わからない・・・。 そして再度ケアマネからの電話。 『ゆっくりお風呂に入りたい・若い人の会話がいや・私語が多い』と・・・。 結果、ケアマネより『必要最低限の声掛け以外しないで欲しい』との要望。 私がうかがっていない間に何かあったのか・・・? それとも今までが私たちにあわせ我慢していたのか・・・? 今までの様子・・・まったく良くわからない。 『じゃぁ必要以上に絶対喋らないようにしよう 今まで喋っていたのにいきなりじゃ変だろうけれど・・・』 そう決めて伺う。 しかし、Fさんから話し掛けてくる。 『どうする?返事しないわけにいかない』 スタッフも戸惑うがFさんに合わせて会話する。 話は止まらない。 私たちからわざわざ振ることは無いが、 結局最後までいつものように喋っているかんじだ 本人は笑顔で話している 『ゆっくり入りたい・お喋りが嫌』 そういっていたのはほんとにこのFさんなんだろうかと思うくらい・・・ --------------------------- Fさんの入浴が終わり車に戻る。 「あれでまたクレームがきたらどうしようもないよね~」 誰の何の会話が不快に感じたのかわからないが、 今まで私が伺っていたときはそんな様子は微塵も無かった 一人暮らし・・・ さびしい時もあるだろう 体調の悪いときもあるだろう ただただ、入浴を楽しみたいときもあるだろう・・・ 私たちはいろんな状態に応じて適した対応をしていかなければいけない仕事である そのために必ず看護師のバイタルチェック・体調チェック等を事前に行う それに不足があったのか・・・ なんともわからない・・・ ただ、その後連絡を取る際にケアマネに聞いた話。 『あの方は変わり者だから・・・』 と一言。 ---------------------- 今日もFさんの家に伺った。 極力喋らないようにと、ぎこちない雰囲気の中で進んでいった。 しかしやはり喋りかけてくる利用者。 その話に無難に返答をしていく 身内も亡くなり、 体に不安をかかえているFさんは一人暮らし・・・ 『精神的にいいときと悪いときがあるのかもしれないなぁ~』 まだFさんをつかめないが、 お風呂で一番いい精神状態を保てるように手探りで見つけていかなければ・・・ 『お風呂が一番楽しみ』 その言葉だけはうそでないことを信じ、 最高のサービスを提供し、生きがいとしてもらいたいから・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年06月22日 23時12分13秒
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