sotto voce

2008/06/06(金)00:49

山のあなたの空遠く

午後はガボット、ハイドン、フランクを少し練習した。 ガボット。弓がふにゃっとなって、なんかも少し直線的な感じだと思っているのだけどぐにゃぐにゃになる。最初のFis-Fis-Fisはどうあるべきか。まず細かく練習する前に、どうありたいかを自分で整理することをやってみた。ロストロポービチを見ると結構重音の下の音を最後まで伸ばしてたっぷりゆっくり目に弾いている。フルニエは結構テンポは速いけどFisは私が思っていたイメージよりもっと伸びた感じだった。R先生は優雅で早めのテンポだった。そうか。 私はどうしたいかというと今のところ、大きめに最初のFis-Fis-Fisは弾いてその後のフレーズは優しく弾きたいと思った。音程などはあまり気にせずにに荒削りにどうしたいかをやってみた。できれば来週の新しい先生のレッスンでこれをみてもらいたい。間に合うかどうかわからないけれど、荒削りにまずイメージしてそれからちゃんと音程をとる、弓のさばきなど細かい部分練習をしていくことを今回はやってみようかと思った。このガボットは去年から3回目の練習。 ハイドン。昨日のマスタークラスのビデオに触発されて、もう少し音の動きに注意をしてイメージを作って練習してみた。あまりこのときには技術的なことを気にしないことにしてみた。第2主題(というのかどうかわからないがオーケストラが最初のフレーズを繰りかした後にチェロが入るところ)は遠くの山の稜線を思った。できるだけ遠くに放ってそこから引き寄せること。そして32分音符のDisからあがってAのフラジオに行くところはその向こうに軽くふーっとまず気持ちを飛ばす。そして高いHの弱起からCisに入って、リフレインの後、美しい3度の重音で降りてくる。そんな風に展開して考えて弾いていたら、下手でもとにかくこれを実現するためにがんばりたいという気持ちになってきた。ふと「山のあなたの空遠く幸ひ住むと人のいふ。」というフレーズが浮かんできた。この2楽章は今はそれがぴったりのように思える。最初の主題がその後1オクターブ上で昇華される。だいたい私はこの文句をどこで知ったのか? 今インターネットで見たらドイツの詩人の詩の訳のようだ。その後の文句も載っていたが、とにかくこの最初のフレーズだけでもう十分詩になっているところがすごいし、何十年もたって私の記憶から蘇り魅了するところがすごい。10年ほど前にこの曲を始めて練習したときもやはり何か少し絶望していて、しかしこの曲は美しく「遠くに飛んでけ」と思いながら、下手ながらも弾きながら泣けてきたのを思い出す。最初の弾きだしはあまり構えずにストンと落とす感じで弾き始めたほうがいいかもしれないと思った。明日の朝はうまくいくか。 フランクはまずは前回先生に言われたことの思い出し。音楽の形の話。途中のフレーズを少し練習したがあまり時間がとれなかった。 1日があっという間に過ぎてしまい、発表会が終わったらするはずの部屋の片付けもまだぜんぜん手付かずだ。

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