sotto voce

2009/05/12(火)21:31

場所でない定点

友達と週末に会う約束をしていて、そのこどもをビデオに撮るためにビデオの準備をしていた。Sony hi 8というビデオテープ。デジタルではない。いまどき誰も持っていないのではないかと思う。 それでふと思いついて今日はチェロを弾くのをビデオで撮ってみた。いつも弦のところを見ていたりして鏡を見るのはよほど意識しないと見ていないし、もしかしたら自分ではビデオでみたら自分でも改善法が見つかるかも、と思った。 ずいぶんへんな顔だなあとかそういうことはやっぱり気になるけど。これも現実。 やはり下を向いて顎のところに力が入っているみたいだ。前を向いて弾くように言われた先生もいたけれど、そうすると弓の角度がわからなくなる。でも目は下でももう少し首の力が抜けていたほうがよいと思った。それから、指板が首のほうによりすぎているかも、これも指摘されたことがある。楽器を左にもっていくと左足で楽器を支えきれなくなる(足が短くて)のでこれもどうしたものかと思っていた。多少楽器が斜めになってももう少し左側に持ってきてみるほうが良いかもしれない。これは誰にも指摘されていなかったが、楽器が下過ぎるような感じがした。楽器の位置は縦めにしてみたり、高めにしたりいろいろ試みていたが、椅子を高くしてから椅子が高くなった分エンドピンを伸ばした感じでここ2-3か月止まっていたけれど、画面を見ていると絵的に「もう少し上じゃない?」というのが感想だった。少し上にしてみると自分ではすごく弦がせまってきた感覚があったけど、ビデオをみるとそんなに違いはなかった。上にすると楽器が大きく感じる。自然と右手も左手も肘が上がる。これが自然に重みが載せられる体制なのかどうかは今のところ不明。1番目のエチュードがいつも出だしがしょぼしょぼなのだけど、上にしてちょっと弾いたらそっちのほうがよかった気がする。明日もちょっとやってみよう。エンドピンを出しても、知らない間にずるっといつもの下の位置にいっていたりする。 今日はそんなで部屋の中でも別の位置に座った。別の位置に座るだけで響き方が違って少し戸惑う。私はどちらかというと動くのが嫌いなタイプで、同じ場所で何かをするのが好き。宇野千代さんが毎日同じ場所に座って仕事をする、これを欠かしたことがない、という話を聞いていいなあと思ったりする。ここら辺の習性で、いつも同じ場所で練習して気持がいいのだけど、だから少し変わるとすごく戸惑う。レッスンのときとか、発表会のときとか。いやでもやはり同じ場所で練習しないように、言いかえればどんな場所でどんな響きがしても対応できるような訓練も必要かなと思って、ビデオを止めても、今日はずっといつもの場所じゃないところで練習した。 「定点」を持つことは必要だと思うけどチェロの場合はそれは「いつもの場所」ではなく別のものでないと、いつもの場所でしか弾けなくなってしまう。「いつもの場所」でない「定点」探しを始めよう。それが自分にあるようになればどこでもやってけるかも。

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