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終活日記

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2006年09月03日
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カテゴリ:読書
サッド・ヴァケイション
この人の小説を読むのは初めて。
もっとも、映画と同じで日本の小説はあまり読まないんだが。

前半、登場人物がいろいろ交錯し、人間関係が
なかなか頭に入って行かない。
幼い頃母親に棄てられた健次は、母親への復讐という
執念をもって生きている。
いきがかりで、近所の知人の娘や中国人密入国者の子供アチュン
を養うことになるが、自分の生い立ちに対する反動なのか。
偶然から運送会社の社長の妻となった母親に遭遇する。
この運送会社の社員は過去に傷を持つ人間ばかり。
復讐心を隠し、この会社に入り込む。
なんかこのへんの経緯もおかしいんだが。
種違いの弟もいたのだが、諍いから殺してしまう。
この弟を跡継ぎとして不適格と思っていた母親は
死を悲しむより、刑務所に入った健次に将来を託す。
自分の血に復讐しようとしていた健次は結果的に
血の継続に命をかける母親に返り討ちになるかたちになる。

なんとも奇妙なストーリーで、人格破綻者の物語ではないか
とさえ思えて、話の展開は面白いのだが、救いがない。
ふと露地を背景にした中上健次の小説群が頭によみがえった。
こちらも血をテーマにしたものが多いが、人物に対する目線が
人間的でおいらは非常に評価しているんだけど。






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最終更新日  2006年09月03日 13時11分41秒
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