2011/03/07(月)09:29
映画「潜水服は蝶の夢を見る」
[DVDソフト] 潜水服は蝶の夢を見る
映画にしろビデオにしろ、なるべく評価を読まないで
見るようにしているが、これなんか、タイトルだけでは
どんな映画なのかさっぱり分からない。
しかも、導入部ではピントのあわない光がちらつく映像で
テレビの調子がおかしくなったのかと思う。
ところが、この映画いいんだなあ。
というか、好きなタイプの映画だ。
近頃、アクションやサスペンスばかりのフランス映画だが、
これは、いかにもフランス映画という作り。
原作は雑誌ELLEの編集長の自伝だとか。
突然、脳梗塞に襲われ、全身マヒで、意思表示は
理学療法士のアルファべを使った質問に、瞬きで
イエス、ノーを示すだけ。
この方法で原作が出来たというから、労力に驚く。
導入のチカチカは主人公の目線を表現している。
全編主人公のモノローグで進行していくが、
フランス映画だから、もっとエグい表現もあるか
と思ったが、自伝ということで、心理描写が中心。
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同じ自伝的小説で芥川賞受賞の「苦役列車」を
単行本ではなく、文藝春秋掲載のもので読む。
こちらは、作者自ら、中卒だの前科者なぞと卑下を
強調するもんで、先入観を持つなというのは無理。
例によって、これで芥川賞?という程度のもの。
私小説と言ってしまえばそれまでだが。
前半のわざとらしい文体が鼻につく。
選者は何を評価したのかと、評を読むが
どうも歯切れが悪いように思った。