第210話『《クレストII》を追って』:終わりなき超空間の追跡
テラ艦隊の精神中継ステーション破壊によって大打撃を受けたMdIは、これ以上のテラ人の進軍を阻むため、ついに「直接抹殺命令」を下します。アンドロメダ中枢から派遣されたのは、最新鋭の暗黒物質ドライブを搭載したMdI直属の「特務追撃艦隊」でした。1. 絶望のシチュエーション:逃げ場なきハンティング《クレストII》は、MdIの圧倒的な物量と計算され尽くした包囲網により、アンドロメダの未知の宙域へと追い詰められていきます。完璧な先読み:敵の司令官は、テラ艦隊のジャンプパターンや戦術を完璧にプログラミングしており、《クレストII》が超空間(リニア空間)に逃げ込んでも、その出現位置を正確に先回りして待ち伏せています。限界に達する巨艦:連続する防御シールドの酷使とリニア・コンバーターのオーバーヒートにより、《クレストII》の機関部は悲鳴を上げ、乗組員たちには疲労が色濃く漂い始めます。2. 本作を象徴するガジェット:猛追を振り切るための奇策絶対絶命の捕獲・撃沈の危機から脱出するために、ローダンと技術陣が駆使した執念のテクノロジーです。ハイパー空間デコイ(残像発生器):《クレストII》と全く同じ「タキオン放射サイン」を持つ偽のエネルギー体を複数宇宙に放ち、敵の精密レーダーを一瞬だけ混乱させる欺瞞兵器。USO特製「超空間ブレーキ(リニア・アンカー)」:通常ではありえない超空間内での「急制動(急ブレーキ)」をかけ、先回りしている敵艦隊の手前で通常空間に緊急ドロップアウトするための命懸けの制御装置。高エネルギー「ブラインド・カーテン」:自艦の航跡(熱やハイパー放射)を数分間だけ宇宙の背景放射と同化させ、完全に「気配を消す」ための特殊遮蔽フィールド。3. クライマックス:小惑星帯の決闘満身創痍の《クレストII》は、激しい小惑星が飛び交う巨大なデブリ地帯(小惑星帯)へと逃げ込みます。巨艦にとっては自殺行為に等しい場所ですが、ローダンはここを最終決戦の場に選びました。追撃艦隊の先鋒が小惑星を砕きながら迫る中、ローダンは先述の「超空間ブレーキ」を使い、敵の死角へと回り込みます。さらに、グッキーたちミュータントが小惑星の一個に強力な爆薬を仕掛け、敵艦隊の進路を物理的に塞ぐ大爆発を起こします。岩石の嵐と爆炎が吹き荒れる混乱に乗じ、《クレストII》は敵の包囲網のわずかな綻びを突いてハイパー空間へと跳躍。MdIの冷徹な追跡者たちの手をすり抜け、九死に一生を得る脱出に成功しました。【中古】 奇妙な侵攻 / クラーク ダールトン, H.G.エーヴェルス, 松谷 健二 / 早川書房 [文庫]【ネコポス発送】