第194話『ひそやかな侵略』:寄生される帝国
太陽系帝国の主要な軍事施設や行政機関で、高官たちの言動が微妙に変化し始めるという奇妙な現象が発生します。彼らは反逆するわけではなく、ただ「テラにとって不利な、不可解な決定」を静かに、そして確実に行い始めます。1. 敵の正体:寄生生命体「モルク」今回の侵略者は、肉体を持たないエネルギー寄生体、あるいは微小な細胞状の生命体「モルク」です。静かなる乗っ取り:彼らは宿主の脳に寄生し、その記憶や人格を完全にコピーしながら、潜在意識下で行動を操ります。本人は操られている自覚がなく、周囲も「最近少し疲れているのかな?」程度にしか感じないため、発覚が遅れます。組織の機能不全:この「ひそやかな」手口により、テラ艦隊の配置がMdIにとって有利なように書き換えられ、防衛網に意図的な「穴」が開けられてしまいます。2. 本作を象徴するガジェット:内なる敵を暴くツール見分けのつかない「寄生された人間」を特定するために、USOが開発・投入した装備です。バイオ・ポテンシャル・テスター:脳波の微細な「ノイズ」を検知する装置。寄生体が宿主の意志を上書きする際に出る、特有のバイオ・エネルギーを可視化します。高周波「超音波メス(非殺傷型)」:特定の周波数の音波を浴びせることで、宿主を傷つけずに寄生体だけをショック状態にし、肉体から強制的に分離させる外科デバイス。USO特製「サイコ・バリア・ルーム」:寄生体が外部(MdI)と通信するのを遮断するための特殊な合金で作られた尋問室。ここで初めて、寄生された高官たちは自らの異常に気づきます。3. クライマックス:テラニア陥落の危機侵略の魔の手は、ついに太陽系帝国の最高意思決定機関にまで及びます。アラン・D・メルカント局長は、自身の部下ですら信じられない疑心暗鬼に陥りますが、ミュータント部隊の力を借りて「清掃作戦」を開始。最後には、MdIがこの寄生体を通じて、テラの防衛システムを内部から爆破しようとしていたことが判明します。メルカントたちの命がけのパージ作戦により、爆破数分前に寄生体の通信中枢を破壊。物理的な戦争ではない、「信頼」を武器にした心理的防衛戦が幕を閉じます。宇宙英雄ローダン・シリーズ 電子書籍版194 ひそやかな侵略【電子書籍】[ クルト マール ]