カテゴリ:クラシック全般
こんばんは、ほうとうです。
1月31日(金)、広島HBGホールで行われた、広響第447回定期に行って来ました。 同オケの終身名誉指揮者、秋山和慶さんが同月26日に亡くなったというニュースが飛び込んで 来ました。大晦日の東京での公演を終えられ、元日に自宅で転倒し、入院治療されていたところ、 容態が急変し亡くなったとのことでした。 本年7月の広響定期で芥川也寸志生誕100年記念特集を振られる予定でしたが、残念です。 でも、高関健さんが曲目変更せずに振って下さることになりました。 かの斎藤秀雄門下で、今から約1年前に亡くなった小澤征爾さんと両巨頭と言われ、1964年 にデビューしてから長きにわたって国内外のオケを指揮、指導して来られたので、追悼の メッセージが相次ぐのではないでしょうか。 ![]() 会場内の秋山さんを偲ぶディスプレイ それで、公演の冒頭で、秋山さんが好んだエルガーのエニグマ変奏曲より「ニムロッド」が 演奏され、続いて黙祷が捧げられることとなりました。演奏は控えめになりましたが、客席と 一体となって追悼が出来たのではないでしょうか。 ![]() さて、本編です。 指揮者はアメリカの大ベテラン、L.スラットキン、ピアノ独奏は小菅優。 曲目は、広響がこの指揮者に委嘱したシューベルティアーデ~オーケストラル・ファンタジー (当然世界初演)、シューベルトのピアノと管弦楽のための「さすらい人幻想曲」(リスト編曲) とマーラーの交響曲第1番ニ長調。 まずは、スラットキンの、打楽器を多数必要としハープを左右両端に配置する大編成の曲です。 もちろんシューベルトの曲7つから引用があり、始めに未完成交響曲の最初の6小節が パッサカリアとして何度も、変奏しながら登場し進んで行きます。夜会の客が集まって来て賑やか となり、そして熱狂的になりますが、終宴のファンファーレが鳴り、段々と客人が去っていく、と いう進行となっています。演奏時間は約15分と長くありませんが、色々と面白い変化のある曲 でした。 次いで本家シューベルトのさすらい人幻想曲。はじめは自身の歌曲として作られた旋律を引用 してピアノ独奏曲を作ったのです。これが単一楽章の中にソナタの4楽章要素を盛り込んだ ことが、当時珍しかったようです。シューベルト没後これに気付いたF.リストが協奏的作品に 編曲し直したということだそうです。当然リストの手に掛かっていますから、ヴィルトーゾ風作品 になっています。この曲に、いささかの迷いやためらいもなく弾き切った小菅さんは流石ですし、 聴いて良かったです。(アンコールは、シューベルトのセレナーデ。) メインのマーラー。曲は有名であちこちで紹介されているので、大部分は割愛しますが、第3 楽章中間部でマーラー自身の歌曲集「さすらう若人の歌」の一部から引用があります。この公演 自体は、「シューベルトとさすらい人」というテーマで構成されていたのです。 この曲はスラットキンさんが得意とする曲の一つで、凝ったり色々な変化や強調は少なく普通の タイプの演奏でした。広響も金管高音の強奏にムラがありましたが、ほぼほぼしっかりと演奏 できていたと感じました。 個人的には第3楽章冒頭のコントラバスのソロが良かったと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.02.01 15:29:56
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