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カテゴリ:ブルックナー
こんばんは、ほうとうです。
27日(土)、ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた、ユロフスキ指揮バイエルン国立 管弦楽団(バイエルン州立歌劇場管弦楽団)の演奏会に行って来ました。 ![]() 今回の日本ツアーの情報を得たとき、東京、川崎のみと知り、関西にも来ないのかと少し残念 に感じましたが、この川崎公演の曲目に興味が湧きました。 ![]() JR川崎駅、広重筆東海道五十三次「川崎宿」 考えてみると、羽田から川崎へは県境は跨ぐものの、多摩川を挟んだはす向かいの位置にあり、 京急電車1本で行けるので、便利です。そこで、公演チケットを購入の上、安い航空券を探して 行くことにしたのです。 ![]() 駅ペデストリアンデッキからホール ![]() ミューザ川崎入口(赤レンガ倉庫は国鉄川崎駅時代、変電所として使っていたもので、今 では傾けて飾りとして片壁面を使用しています。) ![]() 階段前オブジェ さて、本題へ。まずは曲目など。 1曲目は、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲(ドレスデン版)。 いわゆる初稿に当たります。1861年のパリ初演に際し、パリで定着していた、バレエ入りの グランド・オペラの形式にするため、1幕の前にバレエを挿入し、序曲もバレエにうまく繋がる ように改変したのです。今回は改変前の、主題に回帰するドレスデン版を演奏したのです。今では 両方が取り上げられ、どちらかが廃れた訳ではありません。 2曲目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番イ長調K.488。(ピアノ独奏:ブルース・ リウ) ユロフスキは、弦楽器の編成を低音を主に少し小振りにし、アンサンブルのようで軽やかな響き になるようにしていました。これも趣があって良かった。(ピアノアンコール:ショパンの子犬の ワルツ) 休憩後の3曲目は、ブルックナーの交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」第2稿、新 ブルックナー全集(コーストヴェット校訂)。 ブルックナーの交響曲改編については、以前書いた通りで、初稿は誰の意見も聞いていない もの、現在最も多く演奏されるのが、弟子などの意見により、書き換えた第2稿で、研究者の校訂 により、ハース版とノヴァーク版の2種類があります。そして、国際ブルックナー協会主導で再校訂 が進められ、英国の研究者コーストヴェットが、アメリカで初演するためにブルックナー自身が 書き写した譜面を参考にしたもので、2018年出版されたものです。とは言え、日本の研究家・ 指揮者の高関健氏は「ハース版に近い」と述べておられます。 確かにその通りで、回帰する調性を求めて遷移する部分が増え、ミステリアス感が増すので、 コアなブルックナー・ファンには賛同が集まるのではと思います。ワタクシもこの第4番に関して は、この版を支持したいという現在の考えです。 こうした点を考慮したのでしょうか、ユロフスキもミステリアス感を強調するかのような、演奏 スタイルでした。まあ、演奏時間が長くなった分、オケの集中力が最後の部分で怪しくなりました が、歌劇場のオケとしては世界トップクラスの実力を見せつけたのではないでしょうか。 オケアンコールは、ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガーより第3幕前奏曲」。 大いに満足できる演奏で、来て良かったです。 ![]() ビュッフェ上ポスター お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.09.30 21:08:53
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