秋の大一番!
って、大相撲みたいなタイトル付けちゃいました。ほうとうです。 今日は、マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の演奏会を聴きに兵庫県立芸術文化センターへ行ってきました。 曲目は、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調(独奏:五嶋みどり)とワーグナーのタンホイザー序曲(ドレスデン版)、神々の黄昏よりジークフリートのラインの旅、葬送行進曲、ワルキューレよりワルキューレの騎行でした。予定ではワルキューレの前に、ローエングリン第1幕への前奏曲があったのですが、昨日「指揮者の希望でキャンセル」と発表されました。(アンコールの曲から顧みるに、何か満足できない事情があったのでしょう。)アンコールは、みどりさんがバッハの無伴奏ソナタ第1番より第1楽章、オケがグリーグのペール・ギュントよりソルヴェイグの歌とローエングリン第3幕への前奏曲でした。 出演者からすれば、このコンサートは「この秋の大一番」と言える公演でしょう。そして実際、横綱相撲とでも言える演奏が繰り広げられたのです。 ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、「穏やかな秋の日差しの中、色づいた木々を静かに眺めながら楽しむ。」と文章表現できそうな曲なのですが、みどりさんの演奏はより自然体であって、更に「穏やかな秋の日」を感じさせるものとなりました。オケもきっちりとこうした方向性を表現しており、非の打ち所が無かったと思います。 後半のワーグナーですが、こちらもしっかりした演奏で満足でした。バス・トランペット、ワグナー・チューバもちゃんと用意し、バス・チューバとコントラバス・チューバの使い分けもしていました。日本のオケだと金管は必死こいてそれでも音を外したりするんですが、このオケは簡単にキメちゃうんですね。(バイロイトに出た人も多くいるのでしょう。)でも、1曲キャンセルがあったと言うことで、全勝優勝はならなかった、というところでしょうか。 余談ですが、このコンサートでは咳をするお客さんが多かったように思いました。空気も乾燥してきましたし、クラシックファンを自負される方は、咳止めののど飴などを用意しておくのも、生の良い音楽をより楽しむコツではないでしょうか。