「アスペル・カノジョ」を読んでみた感想
アスペルカノジョという漫画を読みました。【中古】B6コミック アスペル・カノジョ(1)横井という青年と斎藤さんという少女が、突然二人暮らしを始める、何とも不思議な物語でした。「アスペル」というのはアスペルガー症候群の略で、斉藤さんはその精神障害に悩まされた少女、横井は精神障害者を参考に漫画を書いている青年です。斉藤さんはいじめられた経験や、家族から見放された経験から、もう死のうと何回も考えていました。その最後に自分を救ってくれた漫画の作者である、横井に会おうと決断し、突然横井の元を訪れます。私はこの作品を見て、障害者とそれを支える人たちのリアルな気持ちや行動に心を動かされました。斉藤さんは、相手の気持ちを読み取れないことによる不安と恐れ、葛藤を抱え、そしてその斉藤さんを支える周りの人間は、どのように対応すれば良いのかわからず苦悩していきます。そんな周りの人がどのように接すればよいかを、横井が的確なアドバイスをしているところも勉強になりました。アドバイスをする横井自身も精神的な疲れから、倒れたり、的確な言葉が出てこず、斎藤さんを傷つけたりします。このお話は、精神的な障害者と、それを支える周りの人たちの苦悩と成長を描いた作品です。現実は漫画のように甘くないのかもしれません。ただ、斉藤さんの周りに横井のような理解者がいれば、精神障害者でも社会の中で暮らしていけるのかもしれない、と希望を持てる作品でした。ワタシの周りには斉藤さんのような人はいませんが、子供と接していると、具体的な説明をしてなかったから分からなかった、と言い返されたときがあったことを思い出しました。子供への教育という観点でも、この作品は役に立つんじゃないかなと思います。