◇◆誰が?◆◇江戸川乱歩『疑惑』
暴虐な父親が殺害されました。夜いつも腰掛ける庭の石の上で、頭を割られているのが朝になってみつかったのです。 警察の捜査で浮かんだ嫌疑者の疑いは次々に晴れ、矛先は家族に向かいます。常に暴力を受けてきた母、母をかばって父と対立していた兄、何か隠しているようなそぶりを見せる妹…、次男の「おれ」も、家族のだれもが怪しく思えてしまいます。 次々に証拠もみつけてしまい、「おれ」は、あやふやな恐ろしい疑惑に囚われるのがいやになります。 乱歩の時代、斬新なトリック?のミステリーだったと思います。今読んでも面白いです。 家族のような親密な人間を、「犯人」かと疑わなくてはならない状況は、次第に「おれ」を追い込んでいきます。 犯人は誰? 参照元:『江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者』光文社文庫より『疑惑』