2018/09/16(日)00:00
▲▼小池真理子『日影歯科医院』▽△
科…カ
医院の名前からしてホラーっぽい「日影歯科医院」。
小池真理子のホラー短編集『異形のものたち』の一編です。
夫の浮気から離婚した香澄は、従兄弟の世話で、地方都市の郊外に住み始めます。ある日、歯のクラウンが外れて、歯医者を探すことに。
一本の道の奥、木陰になった一角に古色蒼然とした歯科医院がみつかります。
外の蟬の声が騒々しい。油蝉とツクツクボウシによる、永遠に終わらない単調な混声合唱のようだ。待合室には、小さな女の子と祖父母とおぼしき三人連れがいました。
歯を削る機械音だけして、話し声は全く聞こえません。
治療は二回だけで終わりました。
香澄の気持ちは上向き、体調も回復してきました。
時が過ぎて、東京に戻った香澄は仕事もみつかり忙しくすごしていました。
従兄弟からの連絡が入ります。
解体されることになった歯科医院から見つかった物は…。
じわじわっと恐い短編集です。
引用および参照元:小池真理子『異形のものたち』角川書店