▶▶数学B⑫◀◀試行と事象の独立
「試行」は「サイコロを1個投げる」のような実験や観察の行為でした。 「サイコロを1個投げる」試行と「コインを1枚投げる」試行は同時に行っても、お互いにその結果は影響し合いません。「サイコロの目が3のときは、コインは表になりやすい」などということはありません。コインとサイコロが紐でつながっていれば別ですが。 このように互いに影響し合わない試行を「独立」といいます。独立な試行であれば、その結果である「事象」も互いに影響ない「独立した事象」になります。「サイコロの3の目がでる」「コインの表が出る」事象は独立です。 独立した事象両方が起こる確率は、それぞれの確率の和になります。 2本のくじのうち1本が当たりで、、Aくん、Bくんがこの順番で引き、くじを一回ごとにもどすとします。Aくんが引くときもBくんが引くときも、2本のくじから1本の当たりか1本の外れを引くので、状況は全く同じです。Aくんが当たりを引こうが外れを引こうが、Bくんの当たりを引く確率は変わりません。Bくんが当たりくじを引く事象は独立事象です。 独立していない事象として、2本のくじのうち1本が当たりで、Aくん、Bくんがこの順番で引き、くじはもどさないという場合を考えます。 Aくんが当たりを引いてしまったら、Bくんは外れに決定です。Aくんが外れを引くとBくんが当たります。Aくんが当たりであっても外れであってもBくんの当たる確率が変わらないのが「事象の独立」なので、Aくんがどちらを引くかでBくんの運命が決まってしまう場合は独立ではありません。従属です。 全体として見ると、当たりを引く確率はAくんもBくんも1/2で変わりませんが、事象が独立か従属かという違いが出てきます。