桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

2006/08/14(月)12:28

摘発された「ボジンカ」的計画

パワーポリティックス非公式情報(279)

イギリス発アメリカ行きの旅客機を爆破しようとしたとして、24名がイギリスで逮捕された。同国の治安情報機関のMI5が警察と手を組んで捜査していたという。 昨年7月、ロンドンの地下鉄で爆破事件があり、50名以上が死亡したが、この直後にイスラム関係者からアメリカに対する攻撃の話がイギリス当局に伝えられ、MI5の監視が始まり、昨年12月からは警察が協力・・・と伝えられている。警察周辺からの情報に基づくもので、どの程度信頼できるかは不明だが。 通報より2カ月前の5月、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領とイギリスのトニー・ブレア首相がイラン攻撃で合意したと言われている。その頃から「テロ」の噂は流れていた。 当局から流れてくる情報によると、液状の爆発物を手荷物として持ち込む計画だったという。航空機を狙った作戦ということから「9/11」が引き合いに出されているが、むしろ「ボジンカ作戦」に似ているとする指摘もある。この時の計画では液状のニトログリセリン系爆薬を使い、11機を太平洋上で爆破する予定だった。ビルへ正確に突入する難易度は空中爆発の比ではない。 ボジンカ計画は1995年にフィリピンで発覚している。マニラ市内のアパートで爆弾が誤って爆発、その際にフィリピン警察が押収したコンピュータのファイルの中に「ボジンカ」の内容が書かれていたのだ。1993年の世界貿易センター爆破事件の主犯とされるラムジ・ユセフがボジンカの首謀者だとされている。フィリピン当局はこの事実を報告書にまとめ、アメリカのFBIやCIAに知らせているのだが、アメリカ側が適切な対応をしたとは思えない。「9/11」の6年前の出来事だ。 実は、イギリスで事件が摘発される数日前、パキスタンのカラチで数人が逮捕されていた。この逮捕がイギリスでの大捕り物に結びついたという。パキスタン政府は今回の摘発で重要な役割を果たしたようだ。 ところで、今回の事件は中間選挙を目前に控えたブッシュ大統領への「プレゼント」になるだろうという見方もある。2004年には危険を冒し、オサマ・ビンラディンは自身が登場するビデオテープを公表、CIAはブッシュを支援するための行動だと分析していた。その通りだろう。ブッシュを攻撃するメッセージを出してブッシュが困ると思うほどビンラディンが愚かだとは考えられない。ブッシュ政権がイスラム武装勢力の勢いを強めていることも確かだ。

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