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桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

2008/12/24
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トヨタ自動車をはじめ、日本の巨大企業は契約を無視した非正規社員の解雇を強行している。重役や株主ではなく、最も立場の弱い人間を切り捨てる態度への風当たりは強く、大幅な赤字決算にしないかぎり、嵐から逃れることは難しい。半年後に行われる実際の決算発表はともかく、とりあえずは「赤字予想」をぶちあげるしか道はない。人々にショックを与えなければ、逆風を弱めることはできないということだ。

勿論、「経済市場の変化が激しい」ことは、労働者の使い捨てを正当化する理由にならない。アメリカ経済の実態が金融バブルにすぎず、崩壊は時間の問題だと多くの人が警告してきた。サブブライム・ローンの破綻もそうした流れの中で現れた一場面にすぎない。つまり、経済市場を巨大な嵐が襲うことは予想できていた。(自分たちで、嵐の原因を作っていたのだが)

にもかかわらず、トヨタなど大企業の経営者たちは有効な対策を講ずることなく、現在に至っている。赤字だというなら、まず経営陣が責任を取るのが当然であり、配当など論外だ。それが手順である。

配当を継続するというならば、おそらく経営危機を重役たちは深刻に受け取っていない。少なくとも、その程度の段階で労働者を解雇するべきではない。経営陣のボーナス返上などは当然のことで、役員報酬の大幅な減額(1割とか2割という低レベルの話ではない)をまず実行するべきだ。

そもそも、アメリカ経済の衰退は1970年代、リチャード・ニクソン大統領も認識していた。1980年代に入るとロナルド・レーガン大統領は規制緩和と民営化を打ち出し、庶民の富を吸い上げることで権力システムを維持しようと考え、「金融」が会社経営の中心になってくる。日本も追随、「財テク」なる言葉も流行った。そうした政策の象徴的な人間が日本の場合、中曽根康弘首相だ。小泉純一郎はその後継者だと言えるだろう。

1990年代には日本からアメリカへ富が流れる仕組みが確立、日本の庶民は底辺を這うような生活を強いられる。その一方、一部の大企業や富裕層は大儲けして「カネ余り」になり、相場という博奕が盛んになったわけだ。そのカジノ経済が行き詰まった現在、庶民は底辺を維持することが難しくなっている。

庶民にとっては大変な年末になったが、良い面もある。権力者の本性、資本主義システムの本質が明確になったということだ。巨大企業から受け取る「広告費」で潤ってきたマスコミ(右も左もない)はこうした仕組みを伝えようとせず、研究費に四苦八苦し、学生の就職でも頭を悩ませている大学の研究者も沈黙してきた。積極的に権力グループに協力、収入を増やそうと努力してきた学者も少なくない。こうした人々が描く幻影に惑わされていた庶民の中にも今回の騒動で「覚醒」した人も出てきたはずだ。

日本でもアメリカでもメディアや学者の多くは「言論の自由」を権力層に売り渡し、社会の暗部を隠そうと努力してきたわけだが、規制緩和や民営化を振りかざし、庶民から富を容赦なく吸い上げるミルトン・フリードマン流の経済は社会を破壊、結果として資本主義の本質を暴いた。ある意味、共産党よりも革命的である。

アメリカや日本の権力者は経済的な苦境を逆に利用し、庶民から富をさらに吸い上げる仕組みを作ろうとしているが、思惑通りにいくとは限らない。ネオコンが頼りにしていたアメリカの軍事力もアフガニスタンやイラクでの戦争でその限界が明確になり、グルジア軍の南オセチアへの奇襲攻撃はアメリカ軍の弱さを一層、印象づけた。グルジア軍の装備や戦術はイスラエルとアメリカ仕込みで、奇襲攻撃の失敗は両国にとってショックだったはずである。ロシアを軍事力で圧倒する力がイスラエルとアメリカにはないことが白日の下に曝されたのである。つまり、『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』ということだ。






Last updated  2008/12/24 12:53:31 PM
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