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桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

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2009/04/22
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 マスコミがプロパガンダ機関なら、学校は洗脳機関。両機関とも支配グループにとって国民を操る重要な仕組みである。その学校で「教員免許更新制」なるものが導入されようとしているが、この制度も国民を操作するため、権力に批判的な教員を排除することが目的だと理解するべきだろう。

 勿論、教育が支配システムの一部である以上、権力層にとって都合の良いことを学校で教えるのは当然で、洗脳されたくないならば、学校を全面的に信頼してはならない。所詮、学校はそんな程度の存在であり、学習は自らが行うべきなのだ。

 1960年代の後半、日本でも大学紛争が激しくなる。ベトナム戦争が泥沼化、安保条約の改定が目前に迫り、大学内部の不正も発覚してのことだ。が、1970年代に入ると様相は一変する。この闘争に参加した多くの学生が卒業前に素早く「転向」、おとなしく就職している。

 要するに、本気で戦っていた学生は少数にすぎなかったのだろう。が、表面だけでも体制に刃向かう多くの学生が存在したことは支配グループにとって脅威だったはず。そこで、1970年代に入ると政治家や官僚の学校に対する介入が強まり、教育内容の締め付けが厳しくなっていく。彼らが採用する教員を思想で選別しようと考え、コネで選ぼうとしても不思議ではない。その延長線上に大分県の教員採用をめぐる事件がある。

 大分県の場合、長年にわたって大分経済同友会が面接官を出していた。ここにも日本における教育行政の実態が現れている。企業出身の面接官が企業にとって都合の良い人物を好ましく思うのは当然のことで、企業の論理が教育の世界に持ち込まれることになる。

 言うまでもなく、企業とはカネ儲けを目的とする組織である。証券取引所に上場している株式会社の経営者は自分たちの報酬を膨らませ、大株主を儲けさせるためなら会社を破壊することも厭わない。社会システムの崩壊など気にもしない。学校は「カネが全て」という人間を生み出す装置になってしまうということだ。

 勿論、こうした厳しい締め付けが行われているのは、庶民が通う公立の学校。国立大学の付属や一部の有名私立は「自由な校風」が生きていて、管理は緩い。少し気の利いた親で金銭的に余裕があるならば、国立や私立へ子供を通わせようとするだろう。

 権力に刃向かわない人間を作ろうとした結果、自分で考える力のない人間が増えてしまった。それが現在の状況。学力の低下は国策によってもたらされたのである。言うまでもなく、「教員免許更新制」や学力テストで学力が高まることはない。日教組も関係ない。

 大分県で問題が表面化したのも「コネ採用」路線が行き詰まったことを示しているわけだが、さらに教員の大量退職という問題もある。不安定な立場の非常勤教師を増やすといっても限度がある。つまり、教員の新規採用を増やさなければならない状況になってきているのだが、支配グループにとって最大の問題は、自分たちにとって都合の悪い教師を排除する仕組みをどのように作り上げるかということだろう。そこで登場したのが「教員免許更新制」である。現在の学校に支配グループが恐れるようなタイプの教師はほとんどいないと思うが、それでも万一の場合に備え、教員を排除する仕組みだけは作っておきたいはずだ。

 すでに、教育や報道、つまり洗脳やプロパガンダの影響は日本中に及んでいる。既存のメディア、つまり新聞、雑誌、放送だけでなく、インターネットの世界でも人々の視野は自国の外へ広がらず、歴史にも無頓着である。戦前は教育や報道のうえに宗教があった。つまり、「天皇教」を国民に叩き込み、カルト的な手法で庶民を操ったのだが、その影響は今でも残っている。体制内部の「空気」を呼んで成り行きに任せるだけの人間が増えれば、日本の破滅が待っている。





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Last updated  2009/04/22 01:44:11 PM
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