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桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

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2009/04/23
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 アメリカ下院のジェーン・ハーマン議員とイスラエルとの関係を示す盗聴記録の存在が浮上している。イスラエルのスパイ事件の裁判を中止させるように動いたというのだ。ハーマン議員とイスラエルとの関係については2006年に発覚しているが、司法省は調査を止めていた。

 さて、そのスパイ事件とは、イスラエルのロビー団体AIPACを舞台としたもので、国防総省の分析官だったローレンス・フランクリンがこのロビー団体へ機密情報を流し、その情報がイスラエルへ伝えられたと言われている。AIPACのスティーブン・ローゼンやキース・ワイツマンも逮捕されている。

 フランクリンはダグラス・フェイス国防次官の下で働いていた人物で、ネオコンとも深い関係にあった。当時の国防副長官はポール・ウォルフォウィッツであり、国防長官はドナルド・ラムズフェルドである。
つまり、AIPACのスパイ事件を掘り下げていくと、アメリカのイスラエル人脈や戦争人脈との全面衝突にもなりかねない。

 FBIに傍受された電話による会話の中で、ハーマンはAIPACの起訴に関して政府高官と話し合う意志を示し、その代償として親イスラエル派からの寄付と下院情報委員会の委員長に就任する手助けをしてほしいと求めているのだという。もし、この取り引きが成立してハーマンが情報委員会の委員長になっていれば、彼女はアメリカの機密情報に接する機会が増えていただろうが、そうなってもイスラエルとの関係が切れるはずはない。

 AIPACのスパイ事件で被告側の弁護団はジョージ・W・ブッシュ政権を動かしていた政府高官、つまりウォルフォウィッツやフェイスのほか、コンドリーザ・ライスやステファン・ハードリーを召還する予定らしいが、それだけでなく、被告が流したとする機密情報の提出を求め、アメリカに損害を与えたことを証明するように求めるはずである。

 こうした要求はこの種の裁判でよく使われる手法。もし、アメリカの情報機関が行ってきた「不適切な行為」が漏洩情報の中に含まれていた場合、情報の公開は困難になり、裁判の継続は厳しいものになる。被告がイスラエル関係の人間でなければ情報の公開を制限して厳罰に処すこともできるだろうが。

 イスラエルにとって、裁判よりも頭の痛い問題は報道かもしれない。アメリカのメディアは腰が引けているのだが、ヨーロッパではイスラエルにとって都合の悪い話も報道されることがある。そのためか、BBCの監督機関であるBBCトラストは同放送局の中東関連の報道に問題があると表明している。イスラエルを批判する内容の報道が気に入らないようだ。

 先日、ジュネーブで開かれた「人種差別反対世界会議」にはイスラエル批判が飛び出すことが予想されたためにアメリカなど9カ国が欠席、イギリスやフランスなどの20カ国以上のヨーロッパ諸国がイラン大統領の演説が始まった直後に退席している。支配層の世界ではイスラエルの影響力はまだ強いようだ。

 しかし、演説中に代表が退席しなかったノルウェーでは、ガザへの軍事侵攻で戦争犯罪があったとして、何人かの法律家がイスラエルのエーウド・オルメルト前首相らを訴えようとしている。草の根で広がっているイスラエル批判は消えそうにない。






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Last updated  2009/04/23 12:11:08 PM
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