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2020.01.01
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カテゴリ:雑記
あけまして、おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

決まり文句と定型句は、どこか面映ゆい。
こういうことを、さらっと言えるようになったら大人なんじゃないかと思う。
でも私は、いつまでも笑いを堪える子供のようなまま、モゴモゴと口にするのだ。

年末になると、いつも「時の翁」を思い出す。
ファーザー・タイム。時をつかさどる老爺。
何かの授業か本かで目にしたその表記が気に入って、年の暮れになるとそのイメージが甦る。

しみの目立つ、節くれだった手足。
高い頬骨と、鷲鼻。
曲がった腰。

彼は、杖を突きながら、ゆっくり歩く。
石の転がる地面を睨みつけながら。
一歩一歩踏み出すごと、身体は痛みに耐える。
ため息を吐くように、荒い息が漏れる。

―――ここまで来るのは、とても大変だった。

凍てつく空気、暗く閉ざされた世界。
長い時と、積み重なった疲弊。

どこへ行けばよいのか、わからなくなる。

彼は、立ち止まる。
途方に暮れた、迷子のように。
踏み出す力が、自分にはもう残されていないように感じる。

ーーーんぎゃあ、んぎゃあ。

どこからか、赤ん坊の泣き声が聞こえる。
力強く、それは闇をつんざく。

老爺は、遠くなった耳でそれを聞く。

世界を切り裂くように、一筋の光が差す。
日の出だ。

彼は、地面ばかり見ていた目を、上へ向ける。
薄紫に藍、橙。
刻一刻と、様々に色を変えてゆく空。
明るくなっていく世界。

彼は目を見張る。
長らく忘れていた、その美しさに胸を打たれる。
言葉をなくして立ち尽くす。

どこかで赤ん坊が泣いている。
誕生の喜びに胸を躍らせて。
かつて赤ん坊として生まれた老爺は、遠い記憶にそのことを思い出す。

良いこともあった、悪いこともあった。
喜びも悲しみも、私の上を通り過ぎて行った。
ここまで来るのはとても大変だった。

けれど、なんて美しい世界だろう。
なんて素敵な世界だろう。

漲る力の成れの果て。
それでもまだ、また一歩足を進める。

さあ、どこへ行こう。


新しい年のはじまりは、そういうイメージ(長い)。

年越しそばを食べ、RADWIMPSまで紅白を見て、子供たちと就寝。
年の変わる瞬間は逃し、いつものように3時に起床。
TVerで「孤独のグルメ」大みそかスペシャルを見ながらネットをする、そんな日常。

今年はどんな年になるのか、楽しみだな。

皆が、すこやかに過ごせますように。
良いことがたくさんありますように。
実り多くある1年になりますように。


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最終更新日  2020.01.07 04:13:56
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