本のタイトル・作者
ハケン飯友 僕と猫のごはん歳時記 (集英社オレンジ文庫) [ 椹野 道流 ]
この本はどんな人におすすめ?
・猫が好きな人
・美味しいご飯が好きな人
・カフェが好きな人
本の目次・あらすじ
会社が倒産し、途方に暮れていた青年・坂井。
近所の神社で「一緒にご飯を食べる相手が欲しい」とお祈りすると―――神社の猫が家にやってきた。人間の姿で。
ハケン飯友ってやつですよ。
夜だけ人の姿を取り、猫はご飯を食べにやってくる。
一章 猫は何を招く?
「茶話 山猫軒」で雇われ店長をすることになった坂井。
梅雨のある日、道端で倒れている記者を助け、店に運び込むが…。
二章 猫はたまにやらかす
八月、猫が行方不明になった。
坂井は猫の後を追い、神戸へ。
三章 肉球ともみじ
商店街の秋祭りに出店することになった山猫軒。
猫も手伝い、店の庭でガーデンパーティーをすることに。
四章 猫とツリーとブッシュ・ド・ノエル
沖守さんを招き、坂井の家でクリスマスパーティーをすることになった。
それぞれのクリスマスの思い出。
引用
「嬉しいわ。息子と夫がいた頃、私の夢といえば、こんなふうに、誰か他の人が作ってくれたご馳走が食べたい!だったものよ。ひとりぼっちになってから夢が叶うなんて、ちょっと皮肉よね」
感想
2020年読書:108冊目
おすすめ度:★★★
『ハケン飯友 僕と猫のおうちごはん』の続編。
→2019.08.15「
8月に読んだ本①」
「最後のばんごはん」シリーズの作者による別シリーズ。
今回は歳時記ということで、四季折々の短編。
「え、そこで終わるの?」というものもあり、ちょっと物足りなかった。
でも、坂井さんがどうなったのか気になっていたから、うまく行っているみたいでよかった。
神戸に行ったときは、「『ばんめしや』に行くんかな?!」とクロスオーバーを期待したんですがそんなことなかった。(笑)
ごはんを作る人、の物語って良いですよね。
『最後の晩ごはん』『みをつくし料理帖』『きのう、何食べた?』
ご飯づくりって、毎日大変で。
ご飯食べ終わった瞬間に「明日の晩ご飯何にしよう?」って考えてる。
いやだなあ、めんどうだなあ。
うんざりすることの、繰り返し。
でも、そうじゃないこともたくさんあって。
自分のために、美味しいものを作ること。
誰かのために、美味しいものを作ること。
試して、失敗して、繰り返して、成功して、上手くなって、でもまた失敗して。
それは、楽しい。
食は、人の天なり。
自分が作ったものが、自分のからだを作る。家族の健康を支える。
繰り返しの力。
毎日それが出来るって、すごいことだ。
息子と夫を亡くした、沖守さんの言葉が刺さる。
自分のために、料理が出来なくなる日。
家族のために、料理が出来なくなる日。
そのとき、きっと、懐かしく思い出す。
毎日、料理を作りたい。
きっと、狂おしく、焦がれる。
そのことを、少しだけ心の隅に留めておく。
「明日何食べる?」が脳内の基本アプリケーションみたいに、常時起動している状態が苦しくなったら。
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