本のタイトル・作者
ライオンのおやつ (一般書 212) [ 小川 糸 ]
本の目次・あらすじ
海野雫、33歳。
彼女はひとり、瀬戸内海に浮かぶレモン島へやってきた。
そこにあるのは、人生の終わりを迎えるホスピス「ライオンの家」―――百獣の王が何も恐れず身を休めるように、彼女はそこで静かに死を待つ。
毎週日曜日に、ライオンの家ではお茶会が開かれる。
お茶会に出されるのは、忠実に再現された思い出のおやつ。
引用
「はい、こちら側からは出口でも、向こう側から見れば入り口になります。きっと、生も死も、大きな意味では同じなのでしょう。私たちは、ぐるぐると姿を変えて、ただ回っているだけですから。そこには、始まりも終わりも、基本的にはないものだと思っています」
感想
2020年読書:128冊目
おすすめ度:★★★
2020年本屋大賞2位受賞作。面白かったです。
表紙の文字や絵の感じが好きな人は、内容も好きだと思う。
これは本当に好みとか相性の問題なのだけど…小川さんの作品と、私は合わない。
エッセイは大丈夫なんだけどなあ。
この物語は、きれいなファンタジー。
作り込まれたミニチュアみたいに。
良い話だね、うん。いろいろ考えさせられる。
みんないいひとだね。やさしい。すてき。
こんなところあったらいいな。行きたいな。
私の思い出のおやつは何かしら。
私が死ぬときは、どう終わりたいかな。
身近な人を送り出すとき、その希望をどう叶えてあげられるだろう。
そういう気持ちや、作品を届けることの必要性もある。
そういうものが読みたい人もいる。
ただ、それは私ではない。
みんなのために書かれた物語。生が報われ、魂が救われる。
正しい物語。有無を言わせない、うつくしいストーリー。
それが私には、しんどい。
よしもとばななの作品を、私が「ゆるせない」と感じるのと似ている。
憤りすら感じる。
というわけで、捻くれ者の天邪鬼には向かない作品でした。
しかし概してレビューはみんな星4つとか5つが多いので、素直な人にはおすすめ。
ふだん本を読まない人には読みやすいと思います。
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