2373269 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

320life

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

ノマ@320life

ノマ@320life

サイド自由欄

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

カテゴリ

2020.08.27
XML
テーマ:読書(8187)
カテゴリ:【読書】未分類

本のタイトル・作者



父と僕の終わらない歌 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション 40) [ サイモン・マクダーモット ]
"THE SONGAMINUTE MAN
How music brought my father home again"
by Simon McDermott

本の目次・あらすじ


いつかすべてが、消えてしまう前に。
この声を、歌を、留めておきたい。

テッド・マクダーモット。
13人兄弟の長男に生まれ、一家を支え働く傍ら、片時も音楽を、歌を離さなかった父。
心優しく、常に人の面倒を見て、相手を思いやっていた父。

77歳でアルツハイマー病を発症した父は、すべてを忘れて行く。
気まぐれに訪れ、日に日に激しさを増していく、嵐のような暴言と暴力。
母と共にボロボロになった一人息子のサイモンは、ある日ドライブの最中、父の気に入りの曲をかけた。
父は、大声で歌う。かつてのように。
舞台に上がれば一瞬で人々を歓喜の渦に巻き込んだ、その特製の声で。

サイモンはFacebookにその動画をアップし、アルツハイマー協会への寄付のリンクを貼る。
それは瞬く間に広がり―――寄付が押し寄せ、彼のもとに取材が殺到する。
やがてレコード会社が噂を聞きつけ、バックオーケストラを付け、テッドはCDを出すことになる。

妻に手を上げ、息子の名前さえ思い出せない。
それでも、曲が流れれば、彼は歌う。
その歌は、世界中の人の心をとらえる。

引用


あなたはやり遂げたのだ。ふらつきながらもどうにか歩き終えたのだ。たとえば様々なルールを時にちょっとだけ自分に都合よく解釈するような場面がもしあったとしても、その暗いトンネルをついにはくぐり抜けたのだ。


感想


2020年読書:143冊目
おすすめ度:★★★★★

息子の手による、ノンフィクション。

サイモンが2016年秋、認知症に対する意識を高めたとして、英国栄誉賞を受賞した場面から始まる。
「フォレスト・ガンプ」みたいなテッドの人生。このパートがとても面白かった。
詩人の末裔だというけれど、息子には間違いなくその血が流れている。

後半は、エンターテイナーで紳士的だった父が壊れて行く、絶望的な状況の連続で胸が痛くなる。
自分がこうなったら、夫がこうなったら、自分の親がこうなったら。
どこまで、何を、どうすればいいのか、考えた。
また、本の随所に現れる、ささやかな周囲の人の好意にどれだけ救われたかという場面。
私も、そうありたい。

本を読んでいる間中、テッドの歌が聞きたくて、読み終わって早速検索。



これが一番初めにアップされた、「Quando Quando Quando」。
テッドの、ベルベットみたいな声。
強張っていたお父さんの顔が、歌っていくうちに解れて、幸福に満たされる。



収録の様子。
口を開いた瞬間、音が出た瞬間、分かる。
神様が与えた特製の声。
歌と音楽が、彼にとってどれほどのものだったか。

内容もとても良かったのだけれど、訳が自然で良かった。
これは、浅倉卓弥(『四日間の奇蹟』の著者)の初の訳書らしい。


にほんブログ村 にほんブログ村へ



ランキングページに日々の呟きを毎日更新しています。
「みたよ」「いいね」の代わりに押してもらえると、喜びます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2020.08.27 12:00:08
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.