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2020.12.02
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テーマ:読書(8205)
カテゴリ:【読書】未分類

本のタイトル・作者



宝石商リチャード氏の謎鑑定 邂逅の珊瑚 (集英社オレンジ文庫 宝石商リチャード氏の謎鑑定シリーズ) [ 辻村 七子 ]

本の目次・あらすじ


宗教対立から死者の出る商店の焼き討ち事件があり、スリランカを離れ日本に一時帰国することになった正義。
多忙と混乱を極める中、受け取ったヴィンスからのメールに応答すると―――。
「ヴィンスは、どうしていますか。生きていますか?」
それは、彼の妻・マリアンだった。
スリランカから、ニューヨークへ。ニューヨークから東京へ。東京から香港へ。香港から岡山へ。岡山からスリランカへ。

引用


「不思議です。あなたは偶然の出会いによって私の前に現れ、抜け目のない大学生の依頼主となり、同僚になり、私という存在の讃美者となり、後輩になり、いずれの段階にせよ友人とは言い難いものであったはずなのに、今はそれら全てのカテゴリの一番上に、あなたの顔があるような気がする」


感想


2020年読書:203冊目
おすすめ度:★★★★

※ ボーイズラブ的に見ている腐女子感想につきご注意ください ※

ワールドワイド中田。あちこち行きまくり。
長いお話の中で、今回はちょこちょこ過去の話を回収していく巻でした。
短編の時と違ってテンポがつかめず、「うーん」となっていたのだけど、スリランカに戻った瞬間もう全部ふっとんだ。え、これ、え、原作?え?夢?二次創作?ちがう?え?原作?

マリアンさんとヴィンスは、普通に幼馴染同士の恋愛結婚みたいなもんだと思っていたので、まさかフィリピンからやってきた家政婦さんで、臓器移植のためだったとは…。
ヴィンスが好きなので、この人に幸せになって欲しいよう。
まだ裏がある。たぶん次巻。最後すごい終わり方してるから。

今回はシャウルさんの話が良かったな。
宗教とは世界との折り合いの付け方である。
正義の世界の見方、見え方がけっこう辛くて、すごくよく分かる。
でもそこに美しさを見出していくこと、世界を肯定していくこと。
自分を、肯定していくこと。
美を信仰する。そこに辿り付いたシャウルさんの痛みを思うし、それを理解したリチャードと正義の抱えてきた痛みを思う。
どこへ進めばいいかもわからない暗闇の中にあって、その永遠の夜に沈むことも出来た。
けれど顔を上げる。美しいものを見ようと、美しいものを美しいと感じられる自分であるように。
だって、こんなにも醜く残酷な世界は、驚くほど無防備に美しいものを与えてくれるから。
何度見ても飽きぬほど、また生きて明日も見たいと思えるほど、こんなに美しいもので溢れているから。
それに気付くことの出来る自分であること。それを信じられる自分であること。
世界を、自分を、諦めないこと。
私もそれを信仰していると思う。

谷本さん、良かったね。つきものが落ちたみたいだ。
世の中のすべてがカップリングして「つがい」にならなければいけないという強迫概念があって、世間一般常識でその規範があって、でもそうじゃない人もいる。
私はどちらかというとそちらなので、よく分かる。
何なんだろうな。自己認識としてはよく分かるのだけど、自分が人というか、ものごとの関係性に「カップル」であることを求めるという自己矛盾したこの前提は。うーん????
正義が王子様として控えていること、知らなかった。そうだったのか。

スリランカ。もう言わずもがな。本編を読んでくれ。
宝石商シリーズの良いところは、谷本さんの話もあったけど(だからこそここに挿入されているエピソードなのだろうけれど)安易に関係性に名前を付けないというところなんだと思う。
「恋人」とか「友人」とか、誰にでも通じる、説明しやすい分かりやすいラベルを貼るだけがすべてじゃないし、愛情にもたくさんのグラデーションとバリエーションがある。
でも、そういう関係性というより、自分にとってのただひとつの名前、みたいなものがあって、それを貼り付けた瓶に中身が満たされていくような。
そこに書かれているのは、「特別」とか、「大切」とか、「世界一綺麗で優しい男」「世界一手のかかる相手」とか、「リチャード」とか「正義」とか、そういう文字なんだろう。
だから、それが満たされるまで、ただじっと待つ。
2人だけに通じる合図、習慣、言葉遊び、空気、雰囲気、時間、歴史。
さあ、なんて呼ぼうか。この美しいもので満たされた瓶に、どんなラベルを貼ろうか。
それが何であっても、素敵だ。

毎回ものすごい良いところで終わるので、次巻が気になる。次で第2部が終わるみたい。
オクタヴィア、襲来。

今回の萌えポイント

・何かが私を救ってくれるのを待っていた
・愛人
・調子を崩す→「今から行く」
・絶対に、そんなことは、ない。特大極太フォントで模造紙に
・怖くなくて、支えになりたい、超のつくレアキャラ。
・あなたに出会うまでは。あなたがきっかけ。
・留守電四件
・安全のためピックアップを
・トラブルの可能性を想像するのは耐えがたい苦痛
・掌中でいつくしむかえがえのない珠
・ロイヤルミルクティー一神教
・中田・ラナシンハ・正義
・ミルクマン中田
・農業用水とインダス川
・弱音を吐く自分を見せたくないので本当に会いたくなかった
・強く抱いてもじっとしている大型犬
・元気が、出てしまう
・あなたの私に対するイメージを損なう
・水煙草ジュース
・お前を躊躇せずに助けられる人間がいたら絶対に放すな
・まだ好きなんだろ
・涙
・香水変えた?
・愛人やってます
・薔薇の花束
・日常生活に支障が出る
・結婚しないでくれ
・額にキス
・私が取り乱した
・付き合ってください
・付き合っていないつもりだったのですか?
・交際相手に私を選ぶ進歩
・最もあなたのことを真剣に考え、かつ幸福にしたいと願っている人間は私以外にいない
・ベストチョイス
・あなたが私のことを好きになってくれたら付き合っても良い
・人工呼吸のようなキスができる関係
・地球が終わる日に会いたい人
・人生のパートナー
・どうやったらお前のことを一番大切に出来るのか考えてる
・今のあなたの幸せ
・飽きなかったら、二人で新しい打開策を考えよう

大人の余裕で正義を待ってるリチャード氏のようだが、その行動は過保護なモンペである。

プレイリスト

Spotifyで作ったプレイリスト→「宝石商と見習い」(随時更新。「宝石商とアルバイト」から名前が変わりました。)

この巻で「もうこれやん」ってなったのがBUMP OF CHICKEN の「アカシア」。
正義サイド。リチャードと正義の関係性にめちゃくちゃぴったり。



同じく BUMP OF CHICKEN の「spica」も。これは両サイドから。



宝石商シリーズの第2部には、バンプがよくあう。

これまでのシリーズレビュー

2020.03.12 宝石商リチャード氏の謎鑑定
2020.03.14 宝石商リチャード氏の謎鑑定 エメラルドは踊る
2020.03.21 宝石商リチャード氏の謎鑑定 天使のアクアマリン
2020.03.24 宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ
2020.09.03 宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット
2020.09.09 宝石商リチャード氏の謎鑑定 転生のタンザナイト
2020.09.14 宝石商リチャード氏の謎鑑定 紅宝石の女王と裏切りの海
2020.10.21 宝石商リチャード氏の謎鑑定 夏の庭と黄金の愛

2020.09.28 宝石商リチャード氏の謎鑑定 公式ファンブック エトランジェの宝石箱


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最終更新日  2020.12.02 12:00:09
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