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2021/03/05(金)00:00

025.〈あの絵〉のまえで [ 原田マハ ]

【読書】未分類(520)

本のタイトル・作者 ​〈あの絵〉のまえで [ 原田 マハ ]​ 本の目次・あらすじ ーーーあの絵の前で、会おう。 日常のなかで、ふと、絵画に巡り会う。 その絵に再会するとき、はじめて出会うとき。 絵は、待っている。 ひっそりと、息をひそめて、あなたが訪れるのを。 その絵画の持つ力が、そっと背中を押してくれる。 あなただけの、特別な絵。 ハッピー・バースデー フィンセント・ファン・ゴッホ「ドービニーの庭」ひろしま美術館 窓辺の小鳥たち パブロ・ピカソ「鳥籠」大原美術館 檸檬 ポール・セザンヌ「砂糖壺、梨とテーブルクロス」ポーラ美術館 豊穣 グスタフ・クリムト「オイゲニア・プリマフェージの肖像」豊田市美術館 聖夜 東山魁夷「白馬の森」長野県信濃美術館・東山魁夷館 さざなみ クロード・モネ「睡蓮」地中美術館 引用 ―――あーちゃんのすばらしさに誰も気づくことはできません。なぜなら、あーちゃんはすばらしすぎて、一周回ってフツウに見えるからです。 感想 2021年読書:025冊目 おすすめ度:★★★ 絵画にまつわる様々な話、かと思いきや、絵画についてはサラっとしていて、日常のなかに美術があった。 ああ、美術館に行きたいなあ、と思える小説。 最後に美術館に行ったのはいつだったろう? ああ、そうだ。 2人目が生まれる前、娘を抱っこ紐で抱っこしていた。 展示品はおよそ興味のないものだったけれど―――試験官に入った砂がずらりと並んでいたのを覚えている―――子どもを連れて美術館に行ける機会なんて滅多になく、なんでもいいから見ておきたいと美術館に入ったのだ。 平日の午後の美術館はガラガラで、子どもは抱っこ紐の中で眠っていた。 歩き回っていると、子どもの重みがずっしりと肩にきて、疲れ果てた。 行きたいな、また。 今度は、絵が大好きな娘を連れて。 美術なんて、なんの役に立つの? 美術館なんて、つまんないじゃない。 そう思うなら、この小説を読んでみて。 きっとそれは、「お守り」みたいなものだから。 ルーブル美術館に行った時、オーディオガイドの電源が切れるまで歩き回った。 その時、ここにあるのは祈りなのだと思った。 遠い昔の誰かが残したメッセージ。 神様に、誰かに、届きますように。 多くの人に―――ただ1人でも、どうか、受け取って。 私が見たものを、感じたことを、ここにいたことを、覚えていて。 それがある時、届くのかもしれない。 時間を超えて。 これまでのレビュー 2020.08.21 たゆたえども沈まず [ 原田マハ ] 2020.10.07 フーテンのマハ [ 原田マハ ] 2020.11.27 美しき愚かものたちのタブロー [ 原田マハ ] 2020.12.23 総理の夫 First Gentleman [ 原田マハ ] ↑ 「みたよ」「いいね」の代わりに押してもらえると、喜びます。

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